2日間、箱根駅伝につきっきりでした。

今年はとてもおもしろかったです、見てた人はみんなそう言うと思うけど。


そんななかで、自分が賞をあげるならどの選手か、

というのを独断で。


早稲田の5区山登り

東洋柏原くんに追い抜かれ1位を奪われるときも、

落ち着きを失わず、淡々と慌てず騒がずペースを乱さず。

2分くらいの大差をつけられてもおかしくない追い上げられぶりだったのに

わずか30秒以内の差で2番手でゴールする。

人にどれだけ威圧をかけられようが、淡々とやることやれば、

実力者であるなら結果が出せることを証明。

たしかに、勢いに欠ける走り方、とくに能力に長けていたわけでもなく

彼の雑草根がなせた技。最後に勝つのは根性。

個人的には早稲田のイメージらしくない、地道な雰囲気にも好感。


日大の9区

8区までドンビリ、しかも、繰り上げになるだろうと予測され、

すでに黄色のタスキを肩にかけていたところ、

あと20秒で繰り上げなところ8区走者が根性で駆け込んできた。

急いで黄色のタスキを投げ捨て母校のタスキを無事受け取るも、

結局トップとのタイムを縮めることができず、10区へのタスキが渡せなかった。

無人の中継所に悲しくゴールする。

正直、私だったらこの選手になることが一番つらいだろう。

ドンビリのつらさって本当につらいよ・・・。トップ争いよりもたぶんつらい。

20秒遅れたらもうアウトっていう重圧を背負って最初っからはじまってしまった。

ふつうに走っていたらアウト、ペースをあげてトップとの差を縮めなければ

10区へ、タスキすらつなげなくなるのだ。憧れの箱根だろうが、ひとつも満喫する瞬間もなく、

彼の心は、タスキが自分にかかっているという重圧だらけだったと確信する。

繰上げの心配が常にあるという、ただビリを走るだけでは語れないつらさ。

そして、結果自体もつらいもので終わってしまったこと。

涙すらでない・・・そういう気持ちだっただろう。

自分も最近、ビリで前に食らいついていくつらさを知りかけているから余計いろいろ感じた。

トップや、できるヤツには到底わからない気持ち。


シード争い5校(10区)の選手

団子になって5校が連なった長丁場。

もう能力ではなく、根負けしたものが負け、そういう場面。

7キロくらいは全力に近い走りをしつづけていた。(もっと長い目でみたら2区間ほど?)

3人がシードを勝ち取り、2人が落ちる・・

誰かが仕掛ければ後につづき、また誰かが仕掛けて前に出る。驚いてみんなつづく。

マイペースというものがもはや存在せず、人にペースを振り回されてばかりの7キロは

本当に修羅場。1キロとかならまだいいけど、7キロずっとそれはつらいものではなかろう。

そして人が固まるのは悠々トップよりもシード争いがかかったこういうナーバスな位置だったりするのだ。


早稲田の10区アンカー

あの状態で逃げきった根性をたたえたい。これも、もはや能力勝負ではなく根性勝負。

追われるほうはどうしても焦るし心も弱る。アンカーでトップを奪われるかもしれない恐怖で

弱くなりそうになりながらも、100メートル以上を最後まで確保しつづけトップ死守したことに脱帽。


長々と書いてみましたが、

私のうるうるポイントはどうも

どれだけつらい思いに耐えたか、あきらめずに粘ったか。

やはり、明るい側面よりもこういう側面に目がいきやすいらしい・・。