ある晴れた日曜日に内房で
何故かバイクのサイドスタンドによる
座談会が開かれていましたよ。
参加者(参加車?)*アルファベット順
・DUKE
・FAZER
・GSX
・MT09
・ZZR
GSX:
(DUKEを見ながら)
「ところで、随分傾いているんだけど
どこか調子わるいの?」
DUKE:
「なんか付け根がガバガバで
しっかり締まらないんですよ…」
ZZR:
「それになんか変な磁石が付いているけど
それはなんなの?」
DUKE:
「ウチの部署 いま傾いているから
センサー部との連携がうまく取れなくて
調整の為に磁石を付けています」
ZZR:
「どういう事?」
DUKE:
「ウチの会社の場合、
ウチの部署とセンサー部との
連絡手段が磁石なんですけど
ちょっとでも磁石の位置が悪いと
センサー部が信号の受け取りを拒否して
エンジン部が動かなくなるから
磁石を増やしてなんとか対応してるんです」
MT09:
「え?センサー部との連絡って
磁石を使うの?
やっぱり外資って変わってるね…」
DUKE:
「そうですよね…」
「まあでもウチの部署が
ちゃんとしていないと
会社が動かないって事を
問題提起できましたけどね」
「センサー部って融通が効かないんだ
って事も明らかに出来たし」
GSX:
「なるほどね」
「まあそれにしてもだけど、
ところで我々の部署って
労働時間が長いと思わない?」
ZZR:
「そう。僕もそう思ってた。
おそらくだけど、
バイクって作られてから廃車になるまで
労働時間で考えたら
我々の部署が一番長く仕事しているよね」
「だってどう考えても
バイクって走っている時間より
停まっている時間の方が長いもん」
一同:
(激しく頷く)
MT09:
「そのくせあまり注目されないよね」
DUKE:
「エンジン部とかチェーン部なんかの
花形部署だと気にかけてもらえて
しょっちゅうメンテされるけど
我々の部署って何かトラブルが無いと
あまり気にされない傾向にありますね」
GSX:
「それに、ライダーが変な所に停まって
無理やり我々を働かせる時あるじゃん。
傾いた場所とか地盤の柔らかい所とか」
「そんな時、結構対応に苦労するよね」
ZZR:
「あるある!
ライダー自身の判断ミスなのに
バイクが倒れた時の原因にされたりするし
いい迷惑だよね」
FAZER:
(何か言いかけてやめる…)
GSX:
「うわ…こんな所で仕事って言われても
間違いなく支えられない…
ってわかっていても
ギリギリまで倒さないよう
なんとかしよう って頑張ったのに
いざ倒れてしまったら
何故かライダーって我々の心配より先に
タンク部とかカウル部の心配をするしね」
FAZER:
(何か言いかけてやめる…)
DUKE:
「1番頑張ったのに褒められなくて
ケアも後回しだもんなあ…
なんか切ないですよね…」
GSX:
(FAZERを見て)
「ところでキミって、会社の図体の割に
随分華奢な身体してるけど
結構仕事大変なんじゃない?」
FAZER:
(一瞬ギクっとして)
「えっ?そう見えますか?」
MT09:
(FAZERを見て)
「でもおたくの会社には
センタースタンド部があるでしょ?」
「実はそっちの方が
たくさん仕事してたりして」
FAZER:
(少しムキになって)
「そ そんな事ないですよ!」
ZZR:
「いやいや
センタースタンド部なんて
全然仕事しないよ!」
「あいつら、普段は働かないくせに
やれタイヤ部の入れ替えだ とか
チェーン部の清掃だ とか
なんか目立つ時だけ仕事してさ」
「それ以外の時って本当に働かないよ。
これで給料が同じなんだから
なんか割に合わないよね。
(FAZERを見ながら)
そう思わない?」
FAZER:
「そ そうですよね…」
GSX:
「とにかく、バイクの部署の中で
1番労働時間が長いのが我々なんだって事
キャンペーン活動をして
広く世の中に広める必要があるよね」
ZZR:
「たまに労わってくれるだけでも
もっと仕事にやる気が出るんだけどな」
一同:
(しみじみと頷く)
と
その辺まで座談会が進んだ時に
バイクの持ち主達の休憩が終わったので
サイドスタンド達が入れ替わりに
休憩に入ったタイミングで
座談会は終わりましたが
この記事の終わり間際に
ん?よく考えてみたら
サイドスタンドを立てて話してた訳だから
この場合は「立談会」なんじゃないかな?
なんて事を思ってしまいましたよ。