捨てるもの
あっという間に山積みになる反古紙。
ブックカバーにしたり、
インテリアの埃避けに使ってみたり。
捨てる前に
何となく氣になるものを
無造作に取っておく。
心身共に動けなくて
朦朧とした意識の中、
視線が捉えた先に書架。
反古紙の衣を纏った一冊。
ボーっと、定まらない焦点。
なんとなく眺める。
いろいろなイメージと共に
滞っている何かが攪拌され始めた。
捨て去る反古紙の宇宙に
惹き込まれていく。
自分が生み出したモノに
癒される不思議。
捨て去るモノに
捨て去ることを教わる。
導かれた氣がする…。