巨匠イ・ビョンフン監督の手による作品で、韓国では1999年から2000年にかけて放送された大ヒット時代劇ドラマ「ホ・ジュン宮廷医官への道」は、日本でも既にBS等で何度もオンエアされていましたが、私は気が付くといつも途中まで進行していて、初回から視聴する機会に恵まれませんでした。今年のテレビオンエアでようやく念願かなって60話あまりの長丁場でしたけど、見終える事が出来ました。チョキニコニコチョキ

 

こちらの作品の主演は、チョン・ガンリョルさんです。

ホ・ジュンは地方の両班(武官)の息子として生まれながら、母親が賤民階級で妓生出身だった為、優秀にもかかわらず、他の両班の子息達と同じようには勉学もさせてもらえず、屋敷の中でも母共々、本妻や嫡出子に遠慮しながら肩身の狭い暮らしを強いられる。

思春期になり、自分の境遇に自暴自棄になり、法を破って密輸を働くなど屈折した荒れた青春時代を送る。

その頃、生涯の伴侶となる両班の娘と出会い(出会った当時は、高官の職にあった父親が逆賊の濡れ衣を着せられ、追われる身だった)、身を正して科挙(雑学)に合格し医官として登用され、のちには王様の侍医にまで登りつめます。

 

その傍ら、当時の医術や薬草などの集大成 『 東医宝鑑 』 を著述し、晩年の1560年にまとめ上げ完成します。

1563年に 『 東医宝鑑 』 として刊行。

当時の最高の医学書であり、徳川幕府も8代将軍吉宗の命により、日本版が発行されたそうです。

中国の清でも乾隆帝の時代に乾隆版が刊行。後に日本から版木が輸入され、日本の再販版をお手本に光緒帝の時代に再販されたとのこと。

 

ホ・ジュンは16世紀の李氏朝鮮に実在した人物で、宜祖と光海君(カンヘグン)の治世の時代に生きた。

この時代には、豊臣秀吉豊臣秀吉による朝鮮征伐が行われたため、この時代を描いたドラマには荒々しい日本の刀侍達が登場します。その戦乱の最中のシーンには、宮廷の医学資料を守りながら逃げ惑うホ・ジュンはじめ医官達の姿が描かれ、日本人としては心が痛むような気分にもなりましたが。

 

イ・ビョンフン監督の作品は、韓国の時代劇は 「 こうあってほしかった歴史 」 、 「 全くの幻想ファンタジー 」 と言われる作品が多い中にあって、多少のフィクションは織り交ぜつつも、時代考証も比較的しっかりしており、骨太に描かれているので、たいていの作品が60話前後ありますけれど、引き込まれながら見終える事が出来ます。

 

 

 

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私はイ・ビョンフン監督の作品より先に、イ・ビョンフン監督の製作チームのスタッフだった方がリメイクした作品 『 亀巌(クムガン)ホ・ジュン 伝説の心医 』 の方を先に見終わっていました。

こちらの作品は、ホ・ジュンの幼少期から描かれ、こちらの作品を先に見ていた事で、ホ・ジュンの生い立ちや置かれた立場、なぜ青年期には荒れていたのか・・・という背景がよりよく理解できました。

 

 

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『  亀巌ホ・ジュン  伝説の心医  』  については、2015年2月3日に書いております。

もし宜しかったら、お読みいただけると嬉しいです。