順風満帆、オーライ。
仕事も、もはや4日目にして軌道に乗っています。
仕事の全部を教えて頂いた訳ではないけれども、教わった分は、そこそここなせています。
店長からも
「よくやってくれている」
すでに、そう言われるレベルにまで「仕事勘」を思い出しています。
ホールの仕事は、そう言えば、十数年ぶりかな。
こういうのを「昔取った杵柄」というのでしょう。
効率良く動くのは得意な方です。
まだ、注文聞きとかレジ打ちとか習ってないけれども、習ったら、もっと、スムーズに仕事を運営出来る自信があります。
少なくとも現場では、私が1番よく気がついている気がします。
だから
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
そう、声で他の人にお客様の動きを伝えています。
なんだか、思ったけど、新人の私より他の人の反応が鈍い気がします。
仕事が荒いというか。
まあ、こういう仕事は、フォロー(補助)し合うのが鉄則。
私はチームプレーも得意なのです。
使えるものは何でも使う。
勿論、自分も動きますが。
他の人の仕事の荒さを見る度に
「私に仕事を全部教えてくれたら、もっと、気を行き届かせられるのに」
と思ってしまいます。
私は、プロ意識が高いのです。
外人のお客様でも他の人みたいにビビらないから、注文取りの仕方さえ教えてくれたら、外人さんに対応出来ます。
英語は話せなくてもジェスチャーやカタコトで話せるから。
だから、外人のお客様と会話していたらコーヒーショップの店長さんに名刺頂いて
「うちで働いてもらいたいなぁ(笑)」
って言われていたのですよ。
半年も薬を飲まずにおかしくなっていたあの時でさえ、私には、生計を立てる術はあったのです。
なのに、兄が私の様子がおかしいのに感づいて仕事が終った週末に夜行バスに飛び乗って上京して来たのです。
季節外れの雪がちらついた朝でした。
結局、そのまま、なしくずしに家に戻る事になり、現在に至る。
上京して生活を始めるというのは、気力、体力、財力が必要でなかなか大変なのに兄に騙されて、全て、水の泡にされました。
あの時、兄がほおっておいてくれたら、また、仕事始められたのに。
結局、兄は自分が寂しかっただけでしょう。
何故、私が東京に行きたがるのか理解出来ないらしかった。
昔も。
そして、多分、「今」も。
私は半年後、東京に引っ越しします。
今度は単に結婚するからだけど、「必然」と言えば「必然」。
私は因縁の「東京」に舞い戻ります。
「3度目の正直」
今度こそ、「東京」に骨を埋めます。
そうですよ、思い出しましたよ。
やたら、「Sさん」と喧嘩するなぁと思っていました。
それって、都会と田舎の「ギャップ(相違)」なんですよ。
都会の「当たり前」が、田舎の人間には違って見えてしまう。
私も東京から帰りたての頃は、よく陰で噂されていたそうです。
「香織ちゃんは、東京行ってからおかしくなった」
実際に発病したのは実家に帰ってから、丸1年経ったお正月です。
でも、兆候は帰って来てからすでにあったと人は言っていました。
それ位に、「都会」と「田舎」には「三途の川」のごとき隔たりがあるのですよ。
そりゃ、喧嘩もします。
でも、基本的に根底に「信頼」があるのは、私が昔、都会の水を知り、それに合っていた事によるのでしょう。
分かる所があるという事です。
大体、こんな田舎で、今をときめく売れっ子ミュージシャンと結婚するような人が一体全体何人いるというのですか?
それをリアル(現実)にするのは、やはり、都会の水に触れた事のある者ですよ。
普通の100%の田舎者には、考える事すら無理でしょう。
そんなもんです。
その100%の田舎者だった時は知らなかった。
都会では、芸能界なんて「庭」のようなものです。
当たり前に身近に芸能人がいるのです。
私も旧TBSテレビ局の真ん前の喫茶店に働いていたから、芸能人に接客した事もよくあります。
それでも、山本リンダさんが私に会いに来て下さった時は、流石の仕事仲間もビビっていました。
一時期、交流させて頂く事があったのです。
今は付き合って頂いてはいませんが、当時、気に入られてご自宅の電話番号とか教えて下さいました。
「仕事」をする。
私はそう思う時、いつも、その東京の喫茶店を思い出します。
あの喫茶店もまかないが無料でした。
当時も借金を抱えていて、お金がなく、チーフは
「金がなくて腹空いているんだろ?ここで食いだめしてけ」
そう言っては、まかないを大盛りにしてくれたり、自腹で材料買って来ては料理を振る舞ってくれました。
懐かしい感じです。
なんだか、働いている人達の温かさまで似ていて居心地が良い。
「Sさんとの結婚」がなければ、ずっと働いていたい職場です。
あの昔の喫茶店もそうでした。
「基本に立ち返る」
そんな「ターニングポイント(分岐点)」に来ているようです。
今度こそ、私の東京行きは最後になります。
家族も全員死んだし、家も売ってしまいます。
いつか、墓終いします。
それで、私の故郷にお別れです。
長い間、ありがとうございました。
ご視聴、ありがとうございました。