昔々、ジャニーズ事務所に「田野近トリオ」というグループがいました。


「田原俊彦」の「田」。


「野村義男」の「野」。


「近藤真彦」の「近」。


合わせて「田野近(たのきん)トリオ」。


トリオと言っても、番組や映画は一緒でも歌は「ソロ」で歌っていました。


まず、一番年上の田原俊彦さんが歌デビューしました。


次に、近藤真彦さんも続きました。


当時は「歌謡曲」という歌が主流でした。


映画もこの2人が交互に主役になり、撮影されていました。


肝心の野村義男さんは、何故か、歌も映画の主役も長い間ありませんでした。


そんな野村義男さんは、ギターが好きなバイク屋の息子さんでした。


口癖は「いいよ、いいよ」。


人に好かれる性格の良い笑顔のお似合いな方でした。


私も初めは近藤真彦さんのファンでした。


当時、私は小学生の高学年だったかな。


幼なじみの女の子が同じく近藤真彦さんが好きだったので、私は本当は近藤真彦さんが好きだったけれど言えませんでした。


私は近藤真彦さんの切り抜きやグッズをせっせと彼女に上げていました。


幼なじみは「由栄(よしえ)ちゃん」という名前でした。


私は由栄ちゃんに田野近トリオで誰が好きか聞かれました。


私は答えました。


「私はよっちゃん(野村義男さん)が好き」


幼なじみも「よっちゃん」というアダ名でした。


私なりの「かけ言葉」。


「よっちゃん(野村義男さんと由栄ちゃん)」が好きという事で、幼なじみに対する忠誠心を誓ったようなものです。


そんな事を言っている内に、その野村義男さんも、いよいよ歌デビューするという話を聞きました。


なんでも、バンドを組んだという。


その名も「The Good-by」。


私も由栄ちゃんに「よっちゃんが好き」と発言してから野村義男さんを見るようになっていたのです。


不思議なもので「好き」と言ってみると、元々、太陽星座の占いで相性が最高に良い「蠍座」の男性のせいか、惹かれるものはあります。


なんだか、段々、本当に好きになって行きました。


気が付くと、「The Good-by」のカセットテープを買っていました。


他の2人はレコードデビューなのですが、何故か、「The Good-by」はカセットテープで売っていました。


コンサートにも行きました。


あるコンサートでは、もう1人のボーカルの「やっちん」が真っ直ぐ私の方を見て歌っていました。


コンサート帰りのバスの中でも、同じコンサートに行ったらしき乗客の女の子達が噂していました。


「今日のやっちん、ずっと、どこか見てたね」


ふと、私は吉川晃司さんのコンサートに行った時の事を思い出しました。


私はコンサート会場の道一本挟んだ向かいの公園の壁の上に登って、開場まで時間潰しをしていました。


ふと見ると会場の一階の窓から6~7人の人がこっちを見ていました。


私は居心地悪くなり場所を変えました。


暫くして、戻ってみると窓辺の人達はいなくなっていました。


そして、また、壁の上に登っているとまた6~7人が集まって来て見ている。


私は壁の所から離れました。


そんな風に昔から変に芸能人の方の目を惹く事は多かった気がします。


どの瞬間だったかな?


私は気が付くと「The Good-by」の音楽性にそもそもの感性を刺激され、「音楽」というものを本当に好きになりました。


「音楽」に開眼したのです。


そうしている内に自然と私も「芸能界」に惹かれて行きました。


「音楽」と「芸能界」に触れさせたのは、野村義男さんの「The Good-by」だと言っても良いと思います。


あのB'zの稲葉浩志さんにナンパされた日もウォークマンで聴いていたのは「The Good-by」のカセットテープでした。


「LADY NAVIGATION」のイメージは、その時に聴いていた曲の歌詞から来ていると思います。


「泳ぐ」というような歌詞がありましたから。


昨日、ふと思い立って、YouTubeで「The Good-by」を検索してみたら「ありました‼️」。


でも、タイトルを見てもすぐに思い出せない。


歌を聴いてもピンと来ない。


2023年とも書いてある。


私は同姓同名の別のバンドじゃないかと思い始めました。


あ、でも、やっぱり、これだ‼️


昔の音楽番組の歌映像がありました。


確かに「野村義男さん」と「やっちん」がいます。


ドラムは「コーイチ」だったかな?


最近のには「ハチ」がいない・・・。


久しぶりに聴くと意外と未熟な歌い方だけど、昔の良いと思っていたポイントは思い出しました。


私は愕然(がくぜん)としました。


確かに分かる。


私はこの「The Good-by」を好きだったろう。


でも、今の自分と当時の自分は別人だと感じました。


「成長した」というより「人が違う」。


やっぱり、私は24歳の時の「アルクトゥルス(天使)」の「ウォークイン」を経て、「違う魂」に取って変わられたのでしょうか?


それとも、違う「パラレルワールド」に迷いこんだのか?


はたまた「The Good-by」の事は植え付けられた「偽物の記憶」なのか?


「精神」は10歳台の頃となんら変わらない。


でも、今は「Sさん」に私の「永遠」を塗り替えられました。


「Sさん」の私にかけた魔法によって、私の「永遠というタイムライン」は、「過去」さえも変えてしまったらしい。


私を「Sさん」と出逢った「芸能界」に導いた「The Good-by」は、今はその役割を終えたのかもしれない。


長いイントロを聴いていた気がしました。


色褪せたYouTubeのそのチャンネルは、あんまりチャンネル登録をしない私のリストに黙って、そっと加わりました。


初めの「The Good-by」。


終わりの「Sさん」。


「タイムライン」は、「私」と「Sさん」を取り込んで、エンドレスの「無限大♾️」を形作って、とうとう「完成」しました。


「永遠の絆」は今ここに結ばれました。


キューピットのような「The Good-by」よ、ありがとう。


長い間のお役目ご苦労様でした。


ここからは「Sさん」と生きて行きます。


ご視聴、ありがとうございました。