私がペットを飼ってもらったのは、小学生の頃のオスの犬が初めてでした。






記憶が定かではないのですが、小学3年生か、5年生の時だったはず。


スピッツと柴犬の合の子(雑種)で、毛足の長い口の周りが黒い賢そうな犬でした。


雑種だからか背中に一本の黒い縦線が入っていました。


初めは、白っぽいグレー(灰色)で、年と共に口の周りは白くなり、全体的に茶色っぽく変わりました。


生まれた子犬の中で1番可愛いのをもらって来たらしい。


当初、犬をくれた家の女の子が友達を連れて、しょっちゅう、その犬を見に来ました。


ずかずかと見知らぬ女の子たちに家に入られたくなかった私は犬を返してしまってくれと母に言うと女の子たちは来なくなりました。






私は本当は猫が欲しかったのです。


でも、母は猫が嫌いでした。


「母さん、猫嫌いやから犬にしられ(猫が嫌いだから、犬にしなさいよ)」


そう言って、食品を扱っているスーパーマーケットなのに、犬を屋上で飼う事になりました。


店の上が全部広い屋上だったので、昼間は、そこにある小屋のような洗濯場に寝床を作って放し飼いにしていました。


夜は家の中に入れたりして、一緒に寝ました。


店の前には一番外側にシャッター、手前に自動ドアがある所があります。


朝になると犬は、電源を切った自動ドアを鼻先で押し開け、シャッターの横にある隙間から外に出て、勝手に散歩しては帰って来ました。


昔は犬が勝手に散歩している風景なんて当たり前でした。


だから合の子(雑種)が出来るのです。


誰も見ていないので止めないから。


ただ、犬が出ていった後から野良猫が店に入り、店の食べ物とか荒らす事もよくありました。


まあ、結局、犬は、そんな風に散歩しては車に引かれ、2~3回目に近くの商業高校の前で引かれた時に、流石に死んでしまったらしい。


それでも、かれこれ10年位は飼っていたと思います。




犬の名前は「マーチ」。

3月に来たから「3月(マーチ)」です。

小学校から10年位だから、高校生位の時いたかなあ?

父とどちらが先に死んだか、記憶にありません。

多分、中学生の時か、高校生の時に犬は死んだような気がします。

大人しくて、優しい犬でした。

私が屋上で泣いていると、よって来て、涙をなめてくれる犬でした。

次は、23歳の時に東京から帰って来た時に猫を飼いました。

私は、犬を飼って欲しいと言いました。

「今、犬おらんから、猫飼われ(犬がいないから、猫を飼いなさいよ)」

私は念願の猫を飼いました。

猫はこれまでに4匹家に来ました。

最初はメスのアメリカンショートヘアの雑種1匹で名前は「まり」。

母に名前を付けてもらいました。

兄は勝手に「猫の介(すけ)」と呼んでいました。

後で母が市場で拾って来た白いメスの子猫1匹が暫く一緒に暮らしました。

名前は私が「しろ」と付けました。

その頃には、「まりさん」も大人の猫で、初めは「しろさん」を威嚇していました。

でも、いつのまにか、「しろさん」は「まりさん」の出ないお乳を吸うようになりました。

2匹はいつも屋上から屋根の上に登って遊んでいました。

「しろさん」はよそに行き、「まりさん」は、結局、いつからか帰って来なくなりました。

あんまり、長くはいなかった気がします。

次がオス猫の「真咲(まさき)」が1匹。

猫が欲しいけど知り合いには生まれてないらしいので、保健所に行ってみました。

小さな段ボールの中に5~6匹の結構大きめな猫が入れられて蓋を閉められていました。

私は、まだらの猫が良いと思いました。

でも、母は言いました。

「そういう猫は、色んなオスとくっついた時の奴だよ。前の猫と同じ種類のにしようまいけ(しましょうよ)」

真咲は以前の家で飼っていた猫でした。

母が入院して今の家に移動してから、真咲は2階の窓から今の家に出入りしていました。

しょっちゅう、前の家にも2階の窓から入っては、コンビニだった店の自動ドアの所から外を見て開けて欲しそうにしていました。

母が生前、私と店番をしている時にもそうして自動ドアの前に座るから、その度にドアを開けてやっていたから。

自動ドアが好きだったらしい。

店の前を通ると真咲は自動ドアから覗いていて、その度に廃墟になった店の中に入り、連れて行きました。

「もう、店はやっていないんだよ」

そう言い聞かせても何度も何度も店の中に入っては自動ドアの前で外を見ていました。

母が亡くなって暫くすると、真咲の姿を見かけなくなっている事に気付きました。

出入りしていた2階の窓は開けてあるし、餌はいつもの所においてあるけれど、何かおかしい・・・。

虫の知らせで、行ってなかった元の廃墟の私の部屋に行ったら・・・机の上に死んでいました。

ピーンと伸びた状態で固まっていて、腹にウジがわいていました。

私はそこから回収して家の隅に埋めてやりました。

真咲もそんなに長くなかった気がします。

そう言えば、コンビニは「やまざき」の系列でした。

私が猫に「真咲」と名前を付けたのは思い付きだったのですが、近所の小学生の男の子に「店がやまざきだから?」って言われました。

なるほど。

猫がいなくなったり、死んだりした後は、暫く、動物のいない期間もあります。

次が最後のメス猫の「雨月(うづき)」。





母が亡くなってから、お金を貯めて、東京に1年間暮らしました。

そこから、兄が迎えに来て、なんやかやで、東京のアパートも引き払い、地元で暮らしていました。

ある日、兄が車を運転しながら言い出しました。

「猫でも飼うか」

そう言った、すぐ後に、バイト先のコールセンターの人に言われました。

「子猫拾ったんだけど、柴田さん、猫いらない?」

私は、兄と話し、すぐにもらう事を決めました。

私は、もう二度と猫は放し飼いにしない事にしました。

その「雨月」を家に迎えたのが、18年前の「6月31日」。

もうすぐ18歳です。

私は、「雨月」を「生涯で最後のペット」にしようと思っています。

もう、次は飼わない。

長い人生でしたが、ペットたちとは色々な思い出がありました。

でも、一緒に暮らす事で成長も進歩もしたと思います。

私の家族と生きたペットたちに感謝します。

ありがとう、皆。

ご視聴、ありがとうございました。