一昨日の5月15日も、早くから岩佐さんが家に来たのもあり、父の月命日のお墓参りを忘れてしまっていた事に気が付きました。
実際、お墓参りのお金は、手持ちがないらしい岩佐さんに根こそぎ貸してありました。
だから、こういう忘れてしまっていたって時は、それなりの意味があるんだろうと思う事にしています。
後日に回す事はしません。
基本的に、毎月行かなくても良い所を行っているだけなのだし、無理はしない事にしています。
でも、だからこそ、昨日見た「亡くなった兄の夢」の意味も分かりました。
もしかしたら、父母は、とっくに成仏していて、兄しかお墓にはいないのかもしれません。
夢の中の兄はニコニコと笑っていました。
「良い友達が出来て良かったな(笑)」
お墓参りを忘れた事を兄ならそう言って喜んでくれているのでしょう。
母は「お母さんが死んだら、ちょくちょく、お墓に来るんだよ(笑)」って言っていましたが、兄はそういう人でした。
妹思いで、自分の事より、私の事を優先して喜んでくれるような「善人」。
そうだな、兄に頼めば、岩佐さんの滞りにも上手く行くような橋渡しを請け負ってくれるかもしれない。
父母は、普通の人だから、ただの「亡くなった人」でしかない。
だから、何も願いを叶える事は出来ないかもしれない。
でも、「兄」は違います。
何でも不可能を可能にしようとするチャレンジ精神と研究熱心な破天荒な頭脳の持ち主でした。
実際に形にして応用するのは私の方が勝っていたとはいえ、兄は兄で良い相棒でした。
「兄に祈ってみようか・・・」
今日の私は、ぼんやり、そんな事を考えていました。
普通の亡くなった人とかは、願いを叶えて欲しいような事を祈っても、ただの人間で神様のような力がない。
だから、困ってしまうだけらしい。
そこら辺、兄は私の「スーパーヒーロー」です。
兄なら、きっと、とりあえず出来る事を目一杯考えて、やってみてくれるはず。
人間レベルの事だとしても、何か亡くなっている兄だからこそ出来る事って絶対あるはずです。
実際に、私達兄妹はコンビネーション・プレイで住んでいた家をお金ももらえないのに売られて、路頭に迷う所を回避しました。
結局、家は私名義の持ち家になりました。
詳しい話をすれば、世知辛い事実も多々ある思い出なのですが、その時も兄は不可能を可能にしてみせてくれました。
世間ズレした兄でしたが、意外と頼りになる人物でした。
その兄がお墓参りを忘れた次の日に笑って夢に出て来てくれました。
多分、兄は私が取り立てて、アレコレ言わずとも「サポートしているぞ」と言っているのだという事位は分かります。
という事は、万事上手く行っている証なのかもしれません。
結局、持っていた大金をタクシーに置き忘れたら、タクシーの運転手に着服され、とぼけられたらしい岩佐さん。
警察で調べている所なのですが、毎日の食べる物にも困っているようす。
家に来た時に、冷凍にしてある米でお茶漬けを作ったり、岩佐さんの買ってくれた食パンにピーナッツクリームを塗った物をとりあえず食べてもらいました。
岩佐さんは、家で一切料理をせず、その日食べる物しか買わないので朝とか食べるものが無いそうです。
だから、家に来た時も朝から何も食べてない事が多いのです。
私も手持ちのお金がただでさえ少ない所をギリギリまで岩佐さんに貸しているから、食料も限られていて買えないのも岩佐さんは知っています。
だから、食べるものをそうして出して上げると遠慮しつつも少しだけ食べてくれます。
今日、5月17日は、本当は、引っ越しの為に息子さんがタンスをノコギリで分解しに来ます。
引っ越しは、行き先が決まっていないので、とりあえず、タンスを何とかしに来られるのだと思います。
お昼に息子さんが、弁当が欲しいって言うかもしれないのにお金がないと言いました。
私は考えて、支払いの為に銀行に残しておいたお金に手をつける事にしました。
まず、言われるまま3千円渡して、まだ、5千円位通帳に残っていたと岩佐さんに言うと「もう2千円貸して」と言われました。
前に貸した分と合わせて、合計1万1千円の貸しを6月15日の年金振り込みの日に2万円くれる事で話がつきました。
岩佐さんは、銀行の帰りに寄ったドラッグストアで食べる物を買いました。
岩佐さんは、すぐに、私に何か買ってくれようとしますが、6月15日まで1ヶ月あるし、計画的にお金を使った方が良いと思い、何回も遠慮しました。
結局、キリンレモン1,5L1本と猫の餌を1箱だけ買ってもらい、なるべく、明日の為に残しておくように諭しました。
私も自分の為に使うお金があるなら、本当は、自分が食べなくても支払いに回したい所だから・・・。
昨日、それで買ってもらったキリンレモンと岩佐さんが食べるつもりで買ったロールケーキを家に持ち帰り食べていると何故か涙が出て来ました。
何故だったんでしょう?
多分、本当ならお金がなくて、1人なら支払いのお金にも手を付けられなくて、1ヶ月カツカツの生活をするはずでした。
それを支払いのお金をつかったとはいえ、その貸したはずのお金で食べ物を買ってもらい、あまつさえ、それ以上に返してもらえる?
そりゃ、涙も出ますよ(涙)。
兄の笑った顔から「良かったな(笑)」っていう声にならない声が聞こえた気がしました(笑)。
ご静聴ありがとうございました。