風の中のマリア/百田 尚樹
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「しかしマリアは最後までハンターでいたかった。」

オオスズメバチ、マリアの一生。

昆虫嫌いの私が上司に上手くのせられて、この本を手に取った。



だいたいスズメバチとミツバチの違いも分からなかった。

大きいほうと小さいほう。

両方とも一度刺したら抜けない針だと思っていた。


スズメバチは昆虫を狩り、その昆虫の肉を幼虫の「妹」たちに与える。

自身は食べない。

というか食べられない。

幼虫が出す唾液をエネルギー源として生きるらしい。


そんな生き物の知識もさることながら、狩りをするためだけに生まれたマリアの

擬人的な心情表現に惹きつけられた。

卵巣はあるのに子どもを産めない。

恋などできない。

マリアの寂寥感はオオスズメバチのワーカーとして生まれた宿命の重さを感じさせる。

ハチがそんなこと思ってるはずないだろ、と言ってしまえばそれきりだが、

人間的に見てみると、なんとなく親近感を抱かずにはいられない。


みんな生き残るために狩りをする。


突如溢れる恋心や仲間の死への哀愁を本能で振る払う様は、冷たい風吹き荒れるこの世の中で

もがき続ける自分たちの姿に重なる。


人間関係ストーリーから少し離れて、こんな昆虫ワールドに浸るのも悪くないと思った。


この本を推薦してくれた上司に感謝せねば・・・。