- 君と一緒に生きよう/森 絵都
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「愛がなくては始まらない。
愛だけでは守れない。」
この本に付属する帯に綴られた言葉。
飼い主に服まで与えられ街を闊歩する犬がいる中で、
虐待を受け捨てられ殺されてゆく犬たちがいる。
死に行く彼らに、この世の中はあまりにも冷たい。
シェルターでの処分、犬たちは毒ガスによって苦しみ身悶えながら死んでゆく。
生き物として生まれたはずが、いつの間にか物質となっていた。
どれほどの犬がそれを自覚していたか。
以前テレビで犬の殺処分についての報道を見た。
シェルターに犬を捨てに来た人間は淡々と「もういらない」と言う。
唖然とする職員、すぐさま説得に入る。
「やっぱりいらない。」
その人間に連れられる犬は激しく抵抗していた。
ここに入れば死ぬしかない、動物の勘で分かるのだろう。
悲愴たる泣き声。
胸を突いた。
利己的な人間がはびこる今。
そこに異論を唱える人々がいる。
動物保護団体。
彼らは崩壊したブリーダー、虐待現場の情報が入ればすぐさま現場に急行する。
「全頭、必ず生かして、幸せにしてみせる」
生にしがみつき生き続ける動物たちを、彼らは優しく抱き上げる。
その瞬間、ぼろぼろの動物たちは「温もり」というものを知る。
人間も同じ生き物であることを知る。
自分たちは生きていいのだ。
この人間に従っていいのだ。
そして、幸せを徐々に学んでいく。
様々な動物保護の形をこの本で知った。
ペットはファミリー。
「新しい家族を迎える」ことの意味を、よく考える必要があるのかもしれない。