君と一緒に生きよう/森 絵都
¥1,470
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「愛がなくては始まらない。

 愛だけでは守れない。」


この本に付属する帯に綴られた言葉。


飼い主に服まで与えられ街を闊歩する犬がいる中で、

虐待を受け捨てられ殺されてゆく犬たちがいる。

死に行く彼らに、この世の中はあまりにも冷たい。


シェルターでの処分、犬たちは毒ガスによって苦しみ身悶えながら死んでゆく。

生き物として生まれたはずが、いつの間にか物質となっていた。

どれほどの犬がそれを自覚していたか。



以前テレビで犬の殺処分についての報道を見た。

シェルターに犬を捨てに来た人間は淡々と「もういらない」と言う。

唖然とする職員、すぐさま説得に入る。


「やっぱりいらない。」

その人間に連れられる犬は激しく抵抗していた。

ここに入れば死ぬしかない、動物の勘で分かるのだろう。

悲愴たる泣き声。

胸を突いた。



利己的な人間がはびこる今。

そこに異論を唱える人々がいる。

動物保護団体。

彼らは崩壊したブリーダー、虐待現場の情報が入ればすぐさま現場に急行する。


「全頭、必ず生かして、幸せにしてみせる」


生にしがみつき生き続ける動物たちを、彼らは優しく抱き上げる。

その瞬間、ぼろぼろの動物たちは「温もり」というものを知る。

人間も同じ生き物であることを知る。

自分たちは生きていいのだ。

この人間に従っていいのだ。

そして、幸せを徐々に学んでいく。


様々な動物保護の形をこの本で知った。

ペットはファミリー。

「新しい家族を迎える」ことの意味を、よく考える必要があるのかもしれない。