出産した日の最初の夜
背中には痛み止めの麻薬を入れる
注射針が刺さっていて
右手のボタンで手動で押して
自分で痛み止めを入れるように
なっていました
夜消灯時間になり
下のお世話やら寝返りやら
決まった時刻に来てくれる
看護師さんに産後の経過を
見守られていたのですが
いよいよ発熱はピークの38度を超え
「え
帝王切開って発熱するの
」
ととぼけたことを
聞いてしまいました
「お腹を子宮まで切ってるからね
誰でも高熱が出るのが普通なのよ
」
と優しく教えてもらいました
そもそも帝王切開とは
逆子で位置が直らなかったときの
最終手段としか認識しておらず
今回のように緊急手術になるとは
思っていなかったのです
なので術後の悪露のことも
「普通分娩のあとに出るもの」
としか思っていなくて
下のお世話で看護師さんが
ナプキンを取り替えているときに
「悪露って帝王切開でも
出るものなんですか…
」
とこれまたとぼけたことを
聞いてしまいました
「赤ちゃんのへその緒に
くっついている胎盤は
子宮の中にへばりついていて
べりっと剥がして
傷になっているような感じで
そこから血が体外に出ているから
普通分娩でも帝王切開でも
どちらでも出るものなんだよ
」
とこれまた親切に
教えてもらいました
夜が更けるにつれて
うつらうつらと眠りに落ちたり
痛みから目が覚めたりの繰り返しで
寝てごまかそうとしても
どうにも全身がやたら痛い
「いよいよ痛いんですけど
ボタンを押す余力がなくて
押しに来てもらえますか…
」
と夜中にナースコールで
痛み止めボタンを押しに
何度か来てもらいました
「痛みには波があると思うけど
これからまだ来るぞと思ったら
早めに打ったほうがいいよ
元気なうちに打って
我慢してもあまりいいことはないから
痛み止めを打って楽になって
少しでも寝て体力を
回復させたほうがいいよ」
と夜中ナースに教えられるという
痛み止めは錠剤の飲むタイプと
背中に入れている手動の他に
マックス痛すぎる場合は
座薬を入れると言われ
「まだ座薬まで
いかなくても大丈夫だろう
」
と思っておりましたが
いよいよ明け方3時〜5時頃
もう辛すぎて
「背中の痛み止めもあまり
効いてない感じがしてきたので
座薬お願いしてもいいですか
」
と連絡をしました
なんだか痛みとの戦いは孤独で
心細くもあったのですが
寝ていたリカバリー室は確か
ナースステーションの近くで
真夜中でも頻繁に部屋の前は
人の気配があったりして
また隣の患者さんとナースの声が
カーテン越しに聞こえたりもして
その点は逆に個室じゃなくて
良かったかもと思いました
痛いときって心も元気満々では
いられないのだと実感
また痛みをある程度予測して
前もって痛み止めを打つというのは
半身麻酔の手術や出産なんて
全く経験したことがない今のワシには
かなり高度で難しかったです
なんとか眠りが浅いまま
朝を迎えまして
夜中つきっきりの看護師さんも
朝8時くらいに日勤と交代になり
お別れのご挨拶をしにきてくださり
一晩なのにとても
名残惜しくなりました
ちなみにこのときの方は
以前の職場の同僚に似ていて
とても記憶に残っていたのですが
退院するときくらいに会えて
「かおりんさん
わぁまた会えてよかった
あれからどうですか
体は大丈夫
赤ちゃんも問題なく元気
」
と名前まで覚えていてくれて
非常に感激しました
リカバリー室で
「朝5時に急に決まった
緊急手術で驚いたよね
突然だし初めての出産だし
びっくりしちゃうよね」
と非常に心に寄り添って
会話をしてくださったことは
今でも鮮明に覚えております
プロ意識の高いナースたちのおかげで
不安な気持ちもこういった
言葉の端々で安心に変えてくれて
本当に命の恩人だと思っております
viva 翌日は部屋移動
ばーい





