ストレスの影響を軽減する方法②ペルソナとシャドウと自我(ユング心理学) | 自由の翼 Die Flügel der Freiheit

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前回の記事 ストレスの影響を軽減する方法① の続きです。 私が個々人のストレスの強度に影響を及ぼしているだろうと思う3つの内面的な問題のうち、最も大きなものでありながら、最も普通には気付きにくいであろうペルソナとシャドウとエゴ(自我)について今回は考えていきたいと思います。

 

突然ですが、貴方が自分を知らない人に自己紹介をするとしたら、どういう風に自分を伝えようとするでしょうか?

 

たいていの場合は名前や年齢、既婚か未婚か、住んでいる場所や出身地、自分の学歴や経歴、今している仕事、興味や趣味の対象、好きなものや好きなこと、のような紹介になるだろうと思います。

 

この中で、自分の立場や役割にあたるものがペルソナ(他人や社会と接するときの仮面)であり、自己紹介の中で出てくる順番が早いものほど自分の中でその立場や役割のペルソナを重視している、相手にも自分のその面を重視してもらいたいということになると思います。

 

このペルソナ=立場や役割のために対外的に被っている仮面(他者にそう見せたい自分) は、心理学の三大巨匠と言われているカール・グスタフ・ユングの分析心理学の中の重要な概念の1つです。~の社員、~の学生(卒業生)、既婚や未婚、母親や父親、などは立場や役割の説明であり、「○○を××することが得意です」「~に関心があって学んでいる」であれば、ペルソナというよりも自分自身の興味関心や自分に出来ることの紹介という感じになるのではないでしょうか。

 

ユングの概念には、ペルソナ以外にも「元型」という形でいろいろありますが、ペルソナと強い関連があると思われるのは「シャドウ」と「自我」だろうと私は思っています。

 

これらを簡単に説明すると

 

自我:「自分」という健在意識の中心。私が思う、私が考える、私が選択するなどの「私」という主体

 

シャドウ:顕在意識に比較的近い無意識に存在し、自我を補完する役割を持っている。ペルソナがその人の表の顔=光が当たる面ならばシャドウは光の当たらない影の側面。シャドウの肯定的もしくは否定的な内容は、自我が受け入れたいものか受け入れられないものなのかを表す。

 

つまり、ペルソナは社会的に受け入れられるであろう自分を表現している状態で、その背景には自我(私という意識)と光を当てていない(当てられない)側面としてのシャドウがあるという感じでしょうか。

 

昨日の記事で

この対外的側面に意識が強く向いて一体化した場合、本当の自分との違いによって葛藤が生まれてストレスが生じるが、本当の自分を見失っている、もしくは軽視しているためにストレスの原因がなかなか自覚できないという問題が起こる

 

というように書きましたが、人という存在は何か1つの側面ではなく、あらゆる側面が混然一体となったものだと思うので、どの側面にしろ一体化してしまい他の側面を無視していると、無視されている側面との間に軋轢や葛藤が起こり大きなストレスになるだろうということです。ペルソナに一体化するほど、シャドウも大きくなるということもあると思います。

 

また、ペルソナは1つだけではなく、1人でいくつもの仮面を持っている場合も多いです。上記の自己紹介で自分が挙げた会社員の自分、母親父親の自分、経歴学歴の自分、性別の自分、出身地の自分などが組み合わさっていたり、または他人にこう見て欲しい自分、優しい、面白い、明るい、人道的、ヒーローのようなものもペルソナになり得るので、そういうものの複合で仮面が膨らんでいって自我からどんどん離れてしまうということもあるでしょう。

 

つまり、ペルソナと必要以上に一体化してしまうと、本当の自分、本当に自分が自分だと自覚している状態、自分が心から望んでいるものとかけ離れていってしまい、自分で自分が分からなくなるという状態に陥ることもあるということです。そういう状態になると、常に何か不満だったり、他人に多くを望んでしまったり、自分を否定してばかりいるといったストレスを自分でかけ続けることになってしまいかねません。

 

このような状態で気付かない間に自分に日常的にストレスをかけながら、ライフイベント法に出てくるような出来事がいくつか続いて起きた場合に、それらのストレスが加算されて心身ともに耐えきれないものになってしまうということも考えられるでしょう。

 

そこで提案したいのは、ペルソナをペルソナとして認知(客観的に)して、社会生活を営む上でその側面を「アリ」だと受け入れることです。一体化するのではなく、そういう側面も自分にはあり、そうじゃない側面もあると理解することで、それぞれの側面によって起きてしまいがちな軋轢や葛藤も起こりにくくなる可能性があります。

 

自分の内面のすべての状態は誰も分かるものではないので、どんなに複雑であろうが矛盾があろうが、今あるそのままでとりあえずOKなんだと受け入れられれば、必要以上に自分に対してストレスを感じることも減るだろうというのが私の考え方です。ただ気付く、ただ受け入れる、ただ認めることで、少しでもストレスが軽減できるならば試してみる価値があるのではないでしょうか。

 

ところで最近の記事にも書きましたが、私はBTSの大ファン(Army)で、本格的にBTSにのめり込んだのはヘルマンヘッセのデミアンという小説やユング心理学がアルバムや曲のコンセプトになっていると知ったからでした。今日の記事に出てきたペルソナ、シャドウ、エゴ(自我)というタイトルの曲もありますので、日本語字幕付き動画をここでシェアします。歌詞を読みながら聴いて頂けると、それぞれの概念をイメージしやすいのではないかと思います。

 

ペルソナ→MAP OF SOUL:PERSONA

 

シャドウ→Interlude : Shadow

 

エゴ→Outro : Ego

 

 

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