『うき世櫛』を読了 | 簪堂

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先日、中島要先生の『うき世櫛(よぐし)』という時代小説を購入し、読了しました。

 

 

主人公は江戸時代の髪結い見習いである結(ゆい)という十五歳の女の子。

 

 

師匠にして腕利き髪結い師のお夕(ゆう)と共に暮らし、髪結い師を目指しつつ、女性の本当の幸せや美しさとは何かを学んでいくストーリーです。

 

 

また、当時に奢侈禁止令(しゃしきんしれい)、すなわち贅沢禁止令が幕府から発令されていくなかで、結とお夕は髪結い師として暮らし続けることが出来るのかどうかも、ストーリーの重要事項になっていますね。

 

 

江戸時代は簪文化の全盛期でもあり、髪結い師と簪は深い関わりがあるということで、書店でこの本を見つけてすぐに買い求めました! 

 

 

主人公の結は両親を亡くしており、自ら命を断とうとしていたときに、お夕に救われて髪結い師の弟子になりました。

 

 

結は決して器用とはいえないし、何かと師匠のお夕を困らせることが多いですが、それでも真っ直ぐな気性と、時には自分の意思を貫く芯の強さも秘めています。

 

 

師匠のお夕も髪結い師として腕が良いのみならず、髪結いの依頼人が抱えている困り事を解決へ導くなど、何かと頼れる存在ですね。 

 

 

出来が悪いといつも怒られてばかりの結のことも、厳しくも温かく面倒をみてくれる気風の良さがあって、思わず格好良いという印象を与えられました! 

 

 

作中には佳品の櫛が出たり、当時の髪に関する文化も事細かに知ることが出来ましたよ! 

 

 

ある意味で人情系の時代小説だし、髪結いや結髪(けっぱつ)文化のことなども詳しく書かれているので、カンザシストや日本髪好きな方ではなくとも、面白さを感じられるでしょう。 

 

 

ぜひ興味が湧きましたら、『うき世櫛』を読んで、髪結い師とその弟子が守ろうとする、女性たちの幸せを実感してくださいませ。 

 

 

さて私も小説ではなく同人誌ですが、簪専門の本を出しているので、こちらも興味が湧いたらチェックをお願いいたします! 

 

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