台本つくり | 脳梗塞と民話語り

脳梗塞と民話語り

よう来なすったなあ~、ゆっくりしてきなっせ~





月・火曜日はブログ定休日だよ、

民話の台本作りをやっていたら
  いつの間にか7時30分を回ってしまった

私達が作っているのは
  読ませるための物ではなくて語るための台本なのですね

ですから語りを通じて想像して貰ったり
  あるいは間を取ってじらしてみたりと、その辺になるとテクニックですがね

まっ遅くなりましたので

  一つの昔話を載せてゴメン被りましょう

    ―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐


むかしあったんだと、
  あるところにナ、若い夫婦が住んでいたそうな

  亭主は身体の弱いおかみさんを気遣いながら
  地主のとこで一生懸命働いていたとサ

  ある日の晩方、ひとりで寝ているおかみさんの枕元にナ
   いつの間にか、その~若い男が入ってきてんだと

  ほんなもんだからナ、起きあがろうとすっと
  「難儀な様じゃが、決して怪しい者ではない
      亭主殿が留守なら、わしがこしゃってやろう」って

  飯の支度をすっと、す~と、どっかへ消えて行っちゃうんだと
    変だなと思いながらも、食ってみるってえと

  これがまた、こでらんねえ~味でナ、ついつい箸が進んで
  お膳が空っぽになっちゃうんだと

  不思議なこともあるもんよの、そう思っていると
    次の日も、また次の日も、辺りが暗くなるってえと

  その~若い男が入ってきてナ、「心配なさるな、召し上がれ、」って
  四方山話しをして、帰っていくんだと

  なにを聞いても「今に分かる」としか言わないんだと
   
  ところが、そんなことが何ヶ月か続くと
    おかみさんの身体の調子が思わしくねぐなってきてナ

  何でもよく当たるちゅう行者がいるもんでナ 見て貰ったんだと
  じいっと、おかみさんの顔を見てた行者は、
  「当たるも八卦当たらぬも八卦、気になさるなや、
      もしや、旦那の留守に出入りする男はいないかな?」

  ハッとして、おかみさんの血の気が引くのを見て取った行者はナ
  「男の襟元に、この針を刺しておき、跡をつけていきなされや」

  行者の言うとおり、帰る男に麻糸を通した針を刺しておいたんだと
  次の朝、その麻糸をたぐっていくと五行川の蛇越しの淵へと続き、

  なんと、そこの水は血に染まって真っ赤であったと
  肝をつぶしたおかみさんは、その様子を行者に話すと
  「魔性を払うには、お寺のエノキの木に鷹巣がある
          そのタカの玉子を取って飲まれよ」

  さて村の若いもんに頼むんだが、なにしろ鷹の巣が
  木のてっぺんにあるもんだから、どうしてもとれね~んだと


  どうしたらいがんべか、悩んでいたらナ
   その晩のこと、あの若い男が入ってきて    
  「困っていることがあるようじゃな、
    最後の仕事になるやもしれんが わしに出来ることなら
      なんなりと言ってくだされや」
  「タカの玉子が身体にいいって聞いたので、飲んでみたいのです。」

  次の朝早く、エノキに登っていく大蛇を村のもんが見つけて
   棒でたたき落とそうとしてんだと、
     大蛇は くわえた玉子をかばうように、
       かま首を左右に振りながらナ


   それでも、おかみさんのもとへ玉子を届けるとナ
    力尽きてガックリとその場に倒れ、息絶えたと


  あとの祟りを恐れて村の人たちは、そば殻を蛇の上に置き、
     焼き捨てたんだとサ、


  それから土地では、そばはつくらねぐなったんだとサ

                お し ま い
   

ヘビが若い男になって

  娘の所に通い詰め

   挙げ句に妊娠させてしまうと云うストーリーはいろんな地方にありますね

方言も交えておりますが
  敢えて開設は致しません、あしからず

この土地に住んでいても
  若い方は方言は知らない人が沢山います


こんな感じで一日が暮れていきます