朝目が覚めると、眩しいくらいに朝日が差し込んでくる
二階に巣くっているので、妨げるものがないからモロに陽が
東の窓の障子を開けてみる
サッパリとした空気と共に 寝ぼけ眼に陽が注ぐ
大爺が稲刈りも終わり、小さな川のたまり水の所に
逃げ遅れた魚たちがいたんだと言って、
ウオーキングの途中で捕ってきた魚を焼いている匂いがプンプン
鮒、ナマズ、ドジョウいっぱいいるんですね
そのたまり水の所にいる魚を目当てにサギがきているんです
サギったって、オレオレ詐欺じゃーないですよ
鶴のような鳥のサギで~す
最近はホント増えてきています
そのフン公害に参っているところもあるやに聞いています
そうして朝ご飯を食べてから、
いつものようにウオーキングに出掛けていったんです
コース歩いていたら、コンコンコーンって 澄み切った音が
音のする方見てみると雀くらいのキツツキの仲間かな
木を叩いていたんです
こう云うときにカメラを持ってくれば良かったと思うんですよ
しばらく行くと、イチョウの下では銀杏を拾っている人がいます
臭いからか、準備万端で霧中で拾ってました
もうそろそろ落ちてくるのはお終いだと思うのだが
まだまだ団栗が痛いほど落ちてくる
団栗が頭に出てくる民話があるんで
ちょっと書いてみよう
昔あるところに、彦市と言う働き者の若者がおったと
ある日ナ、彦市が山に芝刈りに行き
昼飯食うべと、おにぎり広げたときだったと
突然!!団栗がゴツーン、ゴツーンと頭にぶつかってくんだと
『いててててっ!やけにいきよい良く落っこちてくる団栗だワイ』
『しゃんねーな、あっちさ行って食うべ』
そう言った 途端、竹の皮にのっかっているおにぎりが??
ふわ~浮かんだと思ったら、おにぎりムシャムシャ
音を立てながら消えて行っちゃうんだと『ヒエーッ、お化けー』
彦市はビックリしちゃって、吹っ飛んで帰るとナ
その訳を、村の人に言うと、
『そいつは、隠れみのを着た天狗の仕業じゃ』
『そうか、それじゃ俺らがしかえしをしてやんべ!!』
ひこいちはそう言って、かまどから火ふき竹を持ち
山に戻ると、その火吹き竹を 目にあて
『うわ~い、都がよく見える、あれが東京タワーか、すげーなー』
彦市が楽しそうに してんのを見た天狗はナ
姿を現して来てナ、『小僧、その遠めがね わしにも覗かせてくれっ!!』
『とんでもねー、これは俺らの大事な宝もんじゃ、貸すわけにいかねー
でも~、天狗さまの 隠れみの貸してくれれば、
これっ!貸してやっても良いんだが!!』
『じゃーちょっとだけだぞっ』そう言ってナ、取りかえっこしたと
天狗はナ、あっちこっち覗いても見えないんだと
そのすきに天狗の隠れみのを着込んだ彦市は、姿が消えてしまってナ
『や~い天狗、俺らのおにぎり盗んだ罰だ、これはいただきー』
大喜びで山を下りてくるとナ
ふもとの茶店で、お客さんが旨そうな団子を食ってんだと
彦市は早速隠れみのを着てナ お客さんの隣に行くと
団子がス~と浮き上がり、パクッムシャムシャ!!
『ヒエー!!お化けだー 』とお客さんは腰ぬかしちゃったと
『いゃ~うまかった、旨かった、流石天狗の隠れみのだワイ』
家に帰った彦市は、箪笥の中にみのを隠すと
そのまま寝てしまったと
母親が帰ってきて、箪笥を開けてみると
『彦市だな!こんな、こきたね~みのを入れておくのは?』
そう言ってナ、かまどで燃しちゃったと
きな臭いニオイでおきっと、すでに灰になっちゃってた
ガックリしてナ
灰をすくってみると、なんと、すくった手が消えるんだと
そんなもんで
裸になって灰をぬり、おそば屋さんに出かけていったと
お客さんの横に座るとナ おそばをツルツルツル食ったと
『キャーおそばが・・・』
ところがおそばを食ったもんだからナ 口の周りの灰が取れちゃって
口だけが空中に浮いたと
『たいへんだ!!口の化け物じゃ、天狗の仕業じゃ』
そう言って追っかけ回したと
彦市はたまらず川の中に ザブ~ン
灰が取れて裸になった彦市は
『ゴメンナサイ、ゴメンナサイ
もういたずらはしません、許してちょうだい!』
おしまい
ウオーキングしながらブツブツ言って歩っていると
俺を追い越してゆく人が、変な顔をして行くの
一人言を云っているように思うのでしょうね
俺の方は人がどう思うと構わない気持ちですから
続けていると、知っている人が今度は追い抜く
そして 世間話をしながら歩くんですね、そうすると同じコースでも短く感じられる
不思議ですよね、
子供向けの天狗さんの隠蓑
このお話は結構知られていますよね
団栗がとんだ方向に行っちゃったみたいで
kanya-suzu