電話が鳴り受話器をとると

母の友人からだった

コロナが少し落ち着いたから

葬儀以来で手を合わせたいと、

ありがたいことである


この方と母は

集団就職で母が名古屋に

出てきた時からの友人であるので

その付き合いは

五十年を超えている


お茶をしながら母の写真と共に

あの時はこうだった、

この時はどうだったと

語り合った時間は

初めて聞く話もあって

私としては懐かしいような

嬉しいような、

でもやはり少し悲しいような

いろいろな

感情が湧いてきた瞬間だった


先頭に立ってどうのという

タイプでは決してなかった母なのに

こんなにも大勢の方々に

手を合わせてもらえるのは

母には

徳というものがあるからであろう

息子としてはとてもありがたい、

そして誇らしくもある