若い頃は怪我があろうが
病気をしようが
すぐに調子は戻り
思うように走れていたのが
自転車を漕ぐとは
こんなに難しいことだったのかと
考え続けているここ数年である

トレーニングを見直したり
自転車、シューズ、
そしてハンドル、サドルの高さ等
いろいろと試行錯誤をしているが
今回はなかなか大変だ





レースとなれば
数日間は競輪場と宿舎との往復で
ずっと自転車と向き合うことになり
どっぷりと
迷いの螺旋に陥ってしまう

どれもこれも行だと思いたいが
その渦中にいる時は
とても苦しく
悩みは深まるばかりである

そんなレースの時に
母がよく夢に出てくるのだ

なんのことはない
日常の夢なのだが
そういう話を母の友人にしたら

「それはそうだわ、
    土岐さんはね、
    怪我だけが心配や、
    無事に帰ってきたら
    それでいいって
    いつもいつも言っとったでね、
    今も心配しとるんだわ」と

亡くなってからも心配を掛けている
四十一の息子は
もう少し
しっかりしなくてはいけない