昨日は他人の不可思議な夢の中に侵入してしまった。それだけで罪深い。
とある少女は美しかった。
緩いパーマをかけた、長く、細い黒髪を後ろでひとつにまとめあげ、くわえ煙草に火を付けて、煙をゆらゆら。
彼女はミラーボールの下で陽気に跳ねた。
腰をくねらせて踊る姿は妖艶で、どこか淫靡で優美な香りを漂わせた。
ロックンロールと共に舞い上がり、消えてしまった。
ミラーボールの下に残ったモノは、たった1本の、細く長い黒髪とロックンロールの
余韻だった。
彼女はこう言っていたんだ。
女の子は誰でも魔法使いになれる、ってね。
サイコウに気持ち良い魔法をかけたあとは空虚感しか残らないんだね。
悲しいね。
トウキョウの現実は甘くて冷たくて、触り心地の悪いモノだ。
他人の夢に侵入するのはもうヤメヨウ。
とかいいつつ、きょうも夢を見る。
おやすみ。