リラックマの魅力の本質 | やみカワ☆キャラクターデザイナー「監督」の下克上ブログ。

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リラックマ!

この方を知らない人はいないでしょう。
コンドウアキさんがデザインし
san-xが2003年から全国の量販店で文具、ぬいぐるみを展開。


1600億円超の総売り上げをたたき出してるモンスターキャラクターです。
(この書き方、語弊がありますが売り上げの数値がモンスターなだけでリラックマ自体は
モンスターではなくクマさんです)

爆発的ヒットをし、当時のブームの過ぎ去った今もその人気は健在。
すっかり「定番化」してしまったキャラです。

お笑い芸人にも一発屋は毎年排出されますがこのように「定番化」することは
本当に稀なことですがキャラクター界も同じですね。

リラックマは確固たるポジションを確立し君臨しているのです。

そもそもリラックマは当初は子供向けに開発されたと言われてます。
しかし実際は子供には当初そんなに人気がなく、売り上げを伸ばしていた店舗を調査すると
大人の女性から支持されていたことがわかり、san-xはそのターゲットを大人の女性に切り替え
今もターゲット層は広げようとせず大人の女性向けにサービスを展開しています。

ここで欲を出してターゲットを変えようとすると方向性がぶれてしまって
ここまで長期ブームにはならなかったといわれています。

ではなぜ女性に人気が出たか?

ネットにもあがっていますが模範解答はこうです。
日々の仕事、生活に疲れている人が多く「癒し」を求める人が多かった。(ベネフィット)
中でもその愛くるしい見た目が女性を惹き付ける魅力となった。
文具、ぬいぐるみ等手軽に手に入り身近における(手軽軸)

そこにマッチングしたのが大人の女性というかOLに大ヒットしたのでしょう
それを知ったsan-xはこのOL層向けのキャラクター展開をぶれさせていません(セグメンテーション)

※ベネフィット:その商品を通じて手に入れたいもの(リラックマの場合、くまのぬいぐるみではなく癒しが欲しいからと位置づける。)

※手軽軸:差別化戦略の一つ。他に商品軸、密着軸がある。

※セグメンテーション:顧客を絞り込むために分けること。

さてここから僕の見解です。リラックマが売れたのはまさに上記の通りでほぼ間違いないでしょう。

でも本当にくまのぬいぐるみで癒されるんでしょうか?
ぼくもリラックマグッズはいろいろ持ってますが癒されたことなど
一度もありません。
「癒し」の定義を精神的な「安らぎ」にしても然り。

リラックマグッズで疲れが軽減する訳でもないし
リラックマグッズが周りにある環境下でも怒ったりするすることもあるので
安らぎを提供してくれるわけでもないようです。

ヒットの本質は「癒し」という結果が得られるからというのは
違うようです。

ではなぜリラックマ好きな人はそれが好きな理由を問うと

「癒されるから」

と答えるのでしょうか。

実際に「癒された」という結果を得た人は教えてください。

まだ、「なんとなく」のほうが説得力があります。
上記の答えは「自分がこれを好きな理由を理解していない」から
何だと思います。ある種、人間的な本能に近い感覚なのかもしれません。

僕は「癒された気にさせるためのまじない道具」のように感じています。
しかもそれを顧客は理解して買っています。
「癒されることはないけど疲れた心を癒やしたかのように思い込むことができるんじゃないか?、安いしそのくらいはお金かけてもいいじゃないか?」と。

リラックマのように気分のままにダラダラ生活したい。
そんな「憧れ」からヒットしているのだとしたら
それは「癒し願望」ではなく男の子がヒーローに憧れてヒーローグッズを
買うような「変身願望」のほうが近いと思います。

僕はリラックマの売れ方を見て、その後のリラックマブームを調査するレポートを見て
そう感じました。

現実逃避のための「癒しのまじない効果」にしろ、「脱力的な変身願望」にしろ
この発想で物を買うって少しネガティブですよね。


最初はそんなネガティブな発想だったかもしれませんが今は単純にその見てくれ、世界観に
いつもと変わらぬ安心感を覚え支持されているのかな。と思います。

でも「癒しのまじない効果」や「脱力的な変身願望」戦術はとても有効だと思います。
それだけ今の人は厳しい環境下でがんばってるってことなんです。

もう少し社会が豊かで心が豊かに保てるような
社会なら、実は流行らなかったのかもしれませんね。

でも僕は今でもリラックマが好きです。僕は上記とは少し違います
別に普段がんばってないけどなんかだらだらしていたいタイプです。

次回はリラックマのどこに「癒しのまじない効果」や「脱力的な変身願望」があるのか
考えてみます。