先日から、時間を表す前置詞を扱っています。
今日の記事と併せて、「問題」と前回の「解説」もご覧ください。
「時間を表す前置詞」の使い分けは大丈夫ですか?
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11887411568.html
細かな違いをはっきりと「時点(Zeitpunkt)」を表す前置詞 【解答】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11888861785.html
ただ、問題の9に修正があります。
理由については、後程詳しくお話しいたします。
私も勘違いしていました。 申し訳ございません。m(_ _ )m
今日、扱うのは、主に「期間(Zeitdauer)」を扱う表現です。
前回にお話したように、
起点:「von+Dat.」と
終点:「bis+Akk.(冠詞なし)」または、「bis zu+Dat.(冠詞あり)」とで、
「期間」を表現することもできます。
あるいは、「zwischen+Dat.」という手もあります。
しかし、「何年間」、「いつ以来」、「~の間」という表現もあります。
それが、今日のテーマです。
あとは…属格の前置詞についても3つ扱います。
この3つも、「期間」を表す時に使います。いい機会なので、一緒に扱います。
・期間を表す前置詞
9:Julia arbeitet schon seit 10 Jahren bei der Sprachschule als Lehrerin.
10:Julia will für 3 Wochen einen Urlaub nach Spanien machen.
この9番の「seit+Dat.」の文章を間違えていたんです。(全て修正済み)
元々の文章も、文法的にはあり得るのですが、
「ユリアは、すでに10年間語学学校で先生として働いている」
という意味にはならないのです。
書くべき文章としては…
Julia hat schon 10 Jahre bei der Sprachschule als Lehrerin gearbeitet.
とするか、
Julia arbeitet schon seit 10 Jahren bei der Sprachschule als Lehrerin.
と、現在形(Präsens)+「seit」がピッタリ来ます。
このうち、後ろの文を意図していたので、そちらに差し替えました。
その理由をこれからお話します。
「seit+Dat.」には…
1:「過去のある時点から続く」ことを示す
2:「過去の続いてきた期間」を示す。
その2つの使い方があるんです。
1の場合ですと…
Berlin ist seit 1990 die Hauptstadt von Bundesrepublik.
Sakura lernt seit dem Beginn ihres Studiums Deutsch.
と言った具合に、
「1990年」とか、「大学の始め」といった過去にあった起点を示して、
それが続いているという意味合いになります。
2の場合ですと…
Berlin ist schon seit 20 Jahren die Hauptstadt von Bundesrepublik.
と言った具合に、
「(過去から)20年という幅の間」続いてきたという意味合いになります。
で、問題は、
「それがどこまで続いているか?」ということです。
答えとしては、「今」まで続いていることを「現在形」で示しているのです。
だから、英語であった、
完了形+「since」と同じ感覚で使うと私のように失敗してしまうのです。 orz
「seit」を使う時は、「現在形」と一緒だと思っていた方が差し当たりは無難です。
余裕のある人だけ、「seit」について、以下を読んでください。
元々の文章はこう書いていました。
Julia hat schon seit 10 Jahren bei der Sprachschule als Lehrerin gearbeitet.
しかし、完了形あるいは過去形では、意味がこうなってしまうんですね。
ユリアが先生として10年間働いていた。(…けれども今は、働いていない。)
と、すでに先生だったというのは、完全に過去の話になってしまうんです。
だから、その後のカッコの中身のような内容が予想されてしまうんです。
(ここまで)
「für」は、とっつきやすいと思います。
「für+Akk.」=(主に未来への)期間を表す
だから、10番のように…
未来に何かあるような時には非常に相性がいいです。
あるいは、完了形でも使うケースはありますが、単純に「期間」を示しています。
だから、「seit」にあったような、
「過去からの継続」という意味はありません。
例えば、
Sakura ist gestern für eine Woche nach Paris gefahren.
と言ったら、「さくらが昨日パリに行って一週間いる」という意味合いなのです。
それに対して、
Sakura ist eine Woche nach Paris gefahren.
と言ったら、「さくらが一週間パリに行っていた」という意味合いですね。
この場合、
あまり「für eine Woche」という言い方はあまりしていないように、記憶しています。
(「für」を入れても問題ないということであれば、ご教示願えれば幸いです。)
非常に細かい話なのですが…
これだけは、確実に押えておいてください。
・今まで継続してやってきたこと = 現在形+「seit+Dat.」
「für」は、意味がイメージしやすいと思いますが、
未来に渡って期間を示す場合は、間違いなく使えます。
・属格(Gen.2格)の前置詞
11:Schicken Sie bitte zu uns die Anmeldungsformular innerhalb dieses Monates.
12:Während dieses Kurses darf man nur auf Deutsch sprechen.
これは、まだお話していない分です。
今日は、
「innerhalb」「außerhalb」と「während」について話します。
これらの前置詞は「属格(Gen.2格)」と一緒に使います。
「innerhalb」と「außerhalb」は、セットです。
「innerhalb」=~の内側
「außerhalb」=~の外側
だから、
11の文で「innerhalb」が出てきますが…
「今月のうち」に「送ってください」と言っている訳です。
ただ、「in」との違いと言われるとちょっと難しいのですが、
「innerhalb+Gen.」を使うと「今月の間の(いつか)にする」
「in+Dat.」を使うと「今月にする」
といったニュアンスの違いがあります。
だから、「innerhalb+Gen.」は、デッドラインを知らせる時によく使われます。
逆に「außerhalb」は?となりますが…
対になる前置詞なのですぐ覚えられます。
Rufen Sie uns bitte in Notfällen außerhalb der Sprechzeiten an!
病院などで、よく見かける表現を直接的に変えましたが…
赤字の部分は「診察時間外」という意味合いです。
ここでは、「診察時間外」の場合は、電話してくださいと言っているのです。
「während」についてですが、
この前置詞が出てきたら、その間中何かをしていることになります。
だから、
Während dieses Kurses darf man nur auf Deutsch sprechen.
と来たら、「コースの間ずっとドイツ語以外は禁止です。」
これは、「innerhalb」や「in」では、この意味合いは出てきません。
以上のように使い分けてもらえれば、と思います。
今回のネタをやって気付くのは、やっぱり前置詞は奥が深いです。
前置詞を完璧にしようと思ったら、莫大な時間がかかるでしょう。
でも、大きく外さないことを意識してもらえれば、さしあたりは十分かと思います。
大きく外さなければ、実際の会話上は流れていくものです。
でも、間違えたこと自体は、申し訳ないです。
これにてご容赦願えればと思います。
今日はこれにて。
次回は…接続詞をしようかと思っています。それでは木曜または金曜に。
確認!「時間を表す接続詞」の使い分け【問題】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11892155915.html
Tschüss!
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