似た言葉に「楽観的」と「楽天的」というのがある。
「あまり違いはない」とする人もいる。
「楽天的は性格」、「楽観的は考え方」という人もいる。
「楽天は過去」、「楽観は未来」という人もいる。
過去の失敗も前向きに捉えれば苦しみは減る。
未来への不安も希望を持てば明るくなる。
過去の苦悩を「持ち越し苦労」、
未来への不安を「取り越し苦労」と言う。
「持ち越し苦労」と「取り越し苦労」がなくなる発想だ。
一方で、楽天と楽観は危機感のない能天気とも言われる。
悪い状況を無視すると、悪い状況に対応できなくなる。
そんな長所・短所のある楽天・楽観だが、お勧めはアドラーだ。
心理学者アドラーは、
『楽観的とは単なる能天気ではない、ということです。何の根拠もなく、準備もせずに能天気に対応する人は、楽観的ではなく楽天的と呼びます。楽観的とは根拠と準備のある人のことです。しかも、悲観的に検証し、悲観的に準備をし、その上で肯定的に行動すること。それを楽観的と呼ぶのです。』
・・・と説明している。
「悲観的に準備し、肯定的に行動する」というのが大事かと思う。
「備えあれば患いなし」である。
そして、「人事を尽くして天命を待つ」だ。
今、やるべきことを精一杯おこない、結果は天に委ねる。
全てを天に委ねることで、不安も消え、希望だけが残る。
「正常化の偏見」という言葉がある。
災害時など、「自分は大丈夫だ」と考え逃げ遅れたりする。
今や、日本人のガン罹患率は50%を超えた。
二人に一人以上がガンに罹るなら、なると考えるべきだ。
しかし、ガンを宣告された人の多くが「まさか自分が」と思うらしい。
「ガンになるかも」と考え、対応した人はガンに罹らないだろう。
多くの人が似たような失敗を犯し、そこには法則が存在する。
失敗に目を背けず、学習し、教訓とすることが大事だ。
さて、失敗と言えば、人生最大の失敗は、死後、地獄に堕ちることだろう。
この世でいくら富を築いても、死後、地獄に堕ちるなら、その人生は成功とはいえない。
今では7割の人が地獄に堕ちるそうだ。
地獄に堕ちた人は、ガン患者と同じように「まさか自分が」と思うらしい。
神を信じず、物質的豊かさだけを求める人が増えた。
少しは宗教的真理を学ぶ時間を確保すべきかと思う。