■ 導入

前回(33)では、舞鶴方面において
👉 需要は存在するが、幹線として成立する密度には達しない
という結論に至った。

では、この制約の中で、
👉 インフラ側の設計を調整することで成立可能性は引き上げられるのか?

本稿では、フル規格新線ではなく、
👉 「部分新線+在来線活用」
という現実的な構成で検証する。


■ 前提:フル規格案の限界

舞鶴方面は以下の特徴を持つ。

  • 需要が面的に分散

  • 幹線としての輸送密度が低い

  • 高頻度運行が成立しにくい

👉 この条件下では、
フル規格新幹線(高頻度・大容量)は過剰性能となる。


■ 仮説:部分最適による成立条件の再設計

本稿では以下の構成を仮定する。

● 区間構成

  • 高島保坂 ~ 小浜:新線(約20.4km)

  • 小浜 ~ 西舞鶴:在来線改修(約40.4km)

● 表定速度(現実ダイヤ前提)

  • 新線区間:120km/h

  • 在来線区間:60km/h

  • 空港アクセス部:90km/h

👉 「理想値」ではなく実効速度ベースで評価する


■ 所要時間(再計算結果)

● 関西IC ~ 西舞鶴

  • 約90分

● 山科 ~ 西舞鶴

  • 約75分

● 関空 ~ 西舞鶴

  • 約130分


■ フル規格案との比較

項目 フル規格  部分最適 
舞鶴~関空  約110分 約130分 +20分
舞鶴~京都 約54分 約75分 +20分

👉 約20分の時短が失われる(スポイル)

 

区間 現行  部分最適 差分
舞鶴 → 京都又は山科     約100分   約75分   ▲約25分 

■ 重要な観点:この「20分」の意味

ここでの評価は単純ではない。

● 事実

  • 時短効果は確実に低下

  • 幹線性能は部分的に制約される

● 仮説

  • 需要規模を考慮すると
    👉 この20分は「過剰投資で得られる時間」だった可能性

● 現時点の限界

  • 利用者の時間価値(VoT)未検証

  • 建設費未算定
    👉 費用対効果は未確定


■ 小浜起点での再評価(重要)

舞鶴ではなく小浜基準で見ると構造が変わる。

● 小浜 → 山科

  • 約35分

● 小浜 → 関空

  • 約90分

● 小浜 →品川

  • 約115分

👉 日本海側としては異例の高速アクセス

 

Kansai explorer(talk / Contributions) at the Japanese Wikipedia - File:JRWest125Series01.jpg from the Japanese Wikipedia, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1075033による


■ 構造変化のポイント

① ハブの再配置

  • 舞鶴:終端(スポーク)

  • 小浜:接続拠点(準ハブ)

👉 需要を「一点に集める」構造へ変化


② ネットワークの変質

従来:
👉 分散した需要がそのまま分散輸送

本案:
👉 小浜で一度集約し、幹線へ接続


③ 投資の重点化

  • 高規格新線:必要最小限(約20km)

  • 既存活用:最大化

👉 構造に合わせた「縮小設計」


■ 舞鶴の位置づけ

● 変わる点

  • 関空アクセス:大幅改善(約200分 → 約130分)

  • 広域接続性:向上

● 変わらない点

  • 需要の分散構造

  • 幹線としての密度不足

👉
舞鶴は
**「幹線終点」ではなく「枝線接続点」**として整理される


■ 結論

● 一次結論

👉 フル規格新線は需要構造に対して過剰

● 二次結論

👉 部分新線+在来線改修により
成立可能性は現実的水準まで改善する可能性がある

● 本質

👉 問題は需要不足ではなく
👉 構造と投資規模のミスマッチ


■ 政策的含意

小浜・舞鶴の双方に強い整備要望がある中で、

👉
「全線新設」か「未整備」かの二択ではなく、
段階的・部分最適の可能性を提示する

■ 次回予告

👉
今回提案した「部分新線+在来線活用」により予想される問題を検証する


■ 現時点での限界

  • 建設費:未算定

  • 需要予測:未実施

  • ダイヤ:概略レベル

  • 在来線改修効果:要検証

👉
本稿は構造モデルによる試行分析である


Copyleft: Kansai-TRL
※出典明記により、引用・改変・再利用を歓迎します