切ない思い出 | ツイノシタク

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50代半ば。
老後のアレコレが、急に現実味をおびて来る。

なるべく迷惑をかけない人生の最終章を迎えるために、
出来ることをボチボチと…

11月になると、必ず思い出す事がある。

44年前の話。

学校から帰ると、いつもの置き場所に鍵が無く家に入れない。
裏に回ってみたが、裏口にも鍵がかかっている。

歩いて10分の母の仕事場へ行って、鍵をもらい家に入ったのだが、帰宅した母が言い放った言葉。
「そんな薄着で恥ずかしい!」

……わかりますよね。
母はその日、小学生の娘がどんな服装で学校へ行ったかも知らなかった。
そもそもその日、帰りが早い事は事前にプリントで知らされていた。

もう少し年長なら母を批判して終わるのだろうが、それ以来長い間、私の衣服選びは季節感が最優先となる。

私が若い頃には既に、冬場に薄いペラペラのスカートや半袖ニットも有りの時代になっていたが、なんとなく苦手だった。

母は、この出来事でもわかるように、あまり家の事をマメにやるタイプではなく、朝ご飯やお弁当も殆ど作ってもらった記憶が無い。

こんな風にはなりたくないと思ったせいで、今も私はアラサーの娘にお弁当を作る。

でも知人は、アラサーの娘が家にいて自分が出掛ける時は、温めるだけで食べられる冷凍のうどんを、小鍋に入れて火を付けるだけの状態にしておくらしい。

上には上がいる。