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先日の「広汎性発達障害(PDD)起因の他動や注意欠陥にもコンサータ・ストラテラは効くのでしょうか?」という疑問に対して、臨床心理士さんからご返答を頂きました。そして、今回いただいた色々な御回答を踏まえて、僕自身がこうした投薬に対してどのように考えているか・・・そこをまとめてみたいと思います。今日はご回答から、記事にしてみます。

では、早速その方のご返答です。

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発達支援が中心の心理士です。担当しているASDの子どもたちの中には、コンサータやリスパダール、ストラテラを服用している子もいます。クリニックのDrや心理士さんと一緒に研修をしていますが、ASDでもADHD傾向の強いお子さんや過敏さやこだわりが強い子に上記の薬が処方されています。

確かに、ASD(自閉症スペクトラム)の子とADHDの子に対する治療は全然違うということも聞きますが、私が担当している子どもたちの主治医の方針は、どちらかというと診断名よりも、今の子どもの現状にあわせて薬物治療を用いたほうが有効かどうかで判断して処方されています。

薬に適応するかどうかについては個人差が大きく、調整しながらの服用ですが、薬物治療が入ることで安定する子が多いというのが私の印象です。薬それぞれの特徴もあり、また主治医がどのような考えをもって薬物治療を用いようとしているのか、その事が処方には大きく影響していると思います。
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さて、実際に、ASD(新しい基準では、広汎性発達障害のことをASD「自閉症スペクトラム障害」と呼ぶそうです。)でも、コンサータやリスパダール・ストラテラを処方されているケースもあるとか。

でも、「薬の適応には個人差が大きい」
と言うご指摘も気に掛かるところです。

このあたり、もう少し詳細にご説明してくださっています。

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例えば、コンサータは切れが良すぎて適応しなかったけれども、リスパダールだと上手く適応した場合や、また薬物治療が開始される年齢、この薬がより適応しやすい年齢など様々なケースが有るように思います。

その為一概には言えず、診断名よりも、まずはお子さんの状態、薬物治療の導入で、どのようなメリット、デメリットがあるのかを、主治医と相談した上で決定される事が、大事かなと思います。あくまでもお薬は、その子の生活の質を向上させたり、不適応症状を緩和させるために用いられると思うので。
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この臨床心理士さんの御指摘は、
非常に大切なところを言っていただいている
と僕も感じます。

大事なのはここでご指摘されているとおり、
診断名よりも、まずはお子さんの状態、
 薬物治療の導入で、
 どのようなメリット、デメリットがあるのかを、
 主治医と相談した上で決定される事が大事

な訳ですが、
残念ながら、こうした患者との会話が、
適切になされている精神医療の現場が、
どれだけあるのだろうと、疑問に感じたりもします。

親としても、精神という目に見えない難しい分野だけに、
医師や心理士と言う専門家のおっしゃることに、
中々意見をするのが難しかったり、
また患者も今の自分の服用感などを適切に伝えにくく、
そこが問題が多発する原因となるような気がしています。

そのあたりの問題点を、この心理士さんも、
ご指摘くださっています。

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お薬の服用を迷われる親御さんの気持ちはよく分かります。私の所でも、必ず薬物治療が始まる前や、その直後は不安を訴えられる親御さんがほぼ全員いってもいいくらいなので。

お薬の服用については、その不安な気持ちや、どのような意図で薬が必要なのか、主治医に聞くのが一番良いと思うのですが、中々聞けないのが現状としてあるのでしょうね。なので、私達心理士もある程度は知識を持って親御さんの気持ちを受け止めつつ、クリニックと話が出来るように進めています。

現状として、成人の精神疾患の場合と同様、主治医との相性もありますし、また児童精神科医の発達障害に対する理解度や薬物療法に対する考え方ひとつで、大きく変わり差があるのもまた事実かと思います。あまり大きな声では言えませんが、ここの病院はどうなんだろうというのも有りますしね。
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この方のように、臨床心理士さんが、
患者と医師の橋渡しになろう、
と言う意識のある方ばかりならいいのですが、
今の現状では、精神医療に掛かると言うのは、
どうも手探りで、不安を抱えながら・・。
という現状があるように感じます。


【僕なりの今の考え・・・まとめ】
これから述べることは、
あくまでも僕の私見であることを、
改めて述べておきますね。

さて、今回、沢山の体験談・ご意見・御回答を頂ました。
実際のところ、「広汎性発達障害の児童にも、
コンサータやストラテラは効いている」
というものが、多かったように感じています。

しかし、僕自身は、やはり息子への服薬には、
慎重な態度を続けたい
と思っています。

というのも、やはりまだ子どもの時期と言うのは、
自分の状態を的確に把握して、
それを親や医師に正確に伝えるのは、
やはり難しいだろう
と感じるからです。

それに精神科薬の服用感ですが、
何となくボぉっとした感じで、
「余計に考えが上手くまとまらなくなる」ともお聞きしますしね。

うちの場合は、
どうしても飲ませなければならないほどの、
激しい不適応はまだないと言うのもあります。
この判断こそが非常に難しいのですが、
僕は、服薬するや否やのポイントとして、
やはり一番大切だと感じています。

前述の心理士さんが、
あくまでもお薬は、その子の生活の質を向上させたり、
不適応症状を緩和させるために用いられると思う

とおっしゃったように、
あくまでの投薬は、子どものためであって欲しいとも感じます。
多動児や注意欠陥を持つ子の子育ては、
時に親に大変な負担を強いることになります。
発達障害児が育て難いといわれる要素の
主要な部分をこの2つが占めているのは間違いないでしょう。
しかし、親や教師の負担低減の為に、
薬が用いられるのには、
僕はどうしても賛成は出来ないと感じています。

そして、ASD・ASP・PDDなどの発達障害児の混乱には、
まずは、
親自身や担任教師などの周囲の関わり方が、
適切であったかをよく検証し、
必要であれば見直すこともとても大切
だと思っています。

その上で、環境を構造化したり、
苦手をうまく別の方法で回避したりと、

(教室で視覚過敏を起こす子には、
 教室の掲示物を減らしてもらったり、
 漢字の書き取りが苦手な子には
 大き目のマスの漢字ノートを使うとか・・・などなど)
環境調整のほうを優先して考えたいものだと、
やはり僕は思っています


こうしたチェックや見直しをしても、
それでも学校や社会への不適応がある場合に限り、
薬は、最後の手段として

そして、医師との適切な信頼関係が持てる場合にのみ、
使うべきではないか
と、僕は今でも思っています。

このあたりについては、
以前、大人の処方体感を教えてくださった方が、
追加のメッセージを下さっていますので、
また、機会を見て紹介したいと思っています。

今日は、臨床心理士さんからのご返答を
元に記事にさせていただきました。
投稿してくださった心理士さんには、
深く深くお礼を述べさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。

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