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今日は、「共感的感性・態度の乏しさ」にいただいたコメントから、当事者さんの感じてらっしゃるところについて、考えてみたいと思います。

【共感性に答えていくのもつらい様子】
まずは、ジャージーさんからです。
定型特有の共感性と、配慮や気遣いの分かち合いによる快感原則は判っていても、自らは心地よいとは感じられず、疲れを感じてらっしゃるご様子です。

>そうなんですよね。あくまで私の個人的な場合なのですが、
その快感原則理解はしているものの、正直しんどくて疲れてしまうというか、【面倒】に思ってしまいます…

>理解はしていますが、定型の方は、そこに心地良さが有るのですよね。。
>気遣いを感じてはいますが、(些細な事でも)けっこう気を使わないで!と思っています。好きにしていて、と。
>何故なら、その気遣いを返さねばならないと思ってしまうし、割と苦痛です。
>歯に絹着せぬ言動に繋がるかもしれません。

>こちらが、素っ気ないと話掛けた相手が悲しそうな表情を浮かべた時、それを見て悲しく思っています(泣)(苦笑)

自分自身で、心地よさを感じない以上、
当事者さんにとっては、
定型発達のやり方にあわせるだけでも気疲れし、
共感的であることに、負担を感じているのですね。

>個人的な二次障害的に対人が苦手になった部分も有りますが、言語性と動作性IQのディスクレパンシーの有意差故、言葉が浮かんで脳内ではお喋りでも、話す動作に付いていかない(時間がかかる)等の理由故に気遣いにも同じ様にタイムラグを生じたりします。
>考えながら話す事が苦手だったり、その場で即座に【返せ】ないなど。
>シングルタスクと継次処理と言語以外にも色々な事に反応する過敏さも相まって。

思考と動作の時間差や、即座に返す苦手などシングルタスクの問題も抱え、会話についていくことと、そうしながら相手の共感性に応えていくのは、特性上、かなり大変であるのが伺えるコメントです。

最後の言葉も印象的です。
これもひとつの当事者さんの本音かもと感じます。

>故に素っ気なくても悲しく思わず、そういう人だと思って戴ければ一番の幸いです。

一見、突き放して欲しいかに取られかねない文章でが、書き手の真意は、「そういう人だと思って、それ以上、同じ行動や反応を求めるのは程ほどにして欲しい」という、つらい気持ちの表明であり、そこを認めて付き合ってほしいという訴えではないかと、僕は感じています。


僕が当事者さんと関わらせていただく上でも、
定型発達がやるように、全く同じ共感的反応を求めるのは、
ちょっと酷なように感じます。
ジャージーさんのおっしゃることは、
良く判るような気がしています。

【親切心への応答】
さて、もうおひと方のコメントも紹介しましょう。
居眠り猫さんです。

>意図の受け手にとってより深刻なのは、悪意を察知できないことです。

受け手とは、居眠り猫さんのことでしょうか。
これは、自らの行動がいつ悪意に取られるか、
どこが悪意に取られるか、そこが判らない苦悩でしょうか。

>意図の発し手にとってより不快なのは、親切心(あえて好意という言葉は避けました。恋愛という、ダメ元が前提である好意と区別するためです)に応答がないことのようです。
>察知する必要の高いものと、察知されたい欲求の高いものが、見事なほど食い違っています。

ぼくの文中で、「定型発達者は、対人コニュニケーションのところで、相手の気持ちを感じたことをフィードバックしたり、相手の意図を汲んで、気遣いをしあったりして、互いの信頼関係や絆を深めていく特性です。」と表現したことを、シンプルにわかりやすく伝えてくださっていますね。

>受け手の反応が発し手の期待に沿っていないことによって、本当はありふれたものにすぎない食い違いや、満足はすべて自己満足であるという身も蓋もない現実が剥き出しにされ、発し手がくっきりと意識してしまうのかもしれません。

後味の悪さと、期待をしてしまったどこか後ろめたさから、余計に、拒絶の気持ちが強く出てしまったりするのかもしれませんね。ややこしいのは、こうしたことが定型発達の側としても、無意識下で起こってしまうので、本人は、なぜ不快なのかも自覚していない可能性を感じます。なので、自覚してこの感情を抑える事も、容易ではないように感じます。

>ただ、私個人の場合、お返しシステムについて、どうにも得心がいかないものがあります。
>「困った時はお互い様」というのはよくわかるのですが、お返しシステムはわからないですね。


そして、居眠り猫さんも、こうしたやり取りの必要性に、何となく疑問を感じてらっしゃるようですね。やはり、自分自身に心地良さのないものを、なぜ「返しあうのか」という疑問なのかなぁと、僕は感じています。


【お二人のコメントに思うこと・・・】
さて、お二人とも、定型特有のやり取りに、
どこか同調できない気持ちをコメントで表してくださいました。

僕が思うに、これは本能のレベルの問題で、
全く興味もわかず、意欲も起こってこない・・・といったような感じで、
まさに、ここでお二人が表現してくださった気持ちそのものが、
抱えてらっしゃる「共感性の乏しさ」なのだと、改めて感じます。

しかし、僕は、このお二方のお人柄を、
「冷たい」だとか、「本質的にそっけない」とは思いません。
行動や感情の追随性に違いはあったとしても、
このお二人のこれまでの多くのコメントから、
人との関わりにつらさを感じつつも、
それでも人を求めてらっしゃる部分を、
ずっと僕も感じてきたからです。

こうした当事者さんの様相を考える時に、
即時的な行動や、わかりやすい態度に表れてこないからといって、
その方が、人と真摯に向き合って求めていないとは、
決していえない
と、僕は感じるのす。

定型発達と同じ反応が出来なくとも、
また、同様のことをすると疲れ果てたとしても、
やはり、人の中で、人にもまれて、
人と関わって生きていきたいのは、
みんな同じなのだ
とも、感じます。

そんな彼らを、見かけの行動や反応だけで、
彼らの真意まで断定してしまわずに、
この方々の心の真実や、人柄の本質に
目を向ける自分でありたい
と、僕は思っています。
また、そうしたことが、
社会でも広がって欲しいと願っています。



そしてもうひとつ思うことがあります。
それは、発達障害者が共感性を育むといっても、
決して、定型発達と同じ反応が出来るようになることを、
目指そうと言っているわけではない
ということです。

彼等は、ココロの中では人との関わりを求めつつも、
定型発達と同じことをやろうとしてしまうなら、
認知能力を超えて、神経を張り詰めて終日過ごすことになり、
結局、破綻を迎えるだけなのでしょう。
そんなところで、自分に向いた、
自分が自然にやろうと思う程度のところで、
それ以上は無理をしないことを、
無意識に身につけられたのかもしれませんね。

また、この程度にとどめておく事も、
また破綻のない社会適応の為には必要なのかもしれません。


昨日、一昨日の記事で、周囲のかかわり次第では、
共感性は育んでいけるし、それは大人になってしまっても
可能性のあることだと、書きました。

しかし、その真意は、定型と同様の即時的な反応や、
相手の意図を汲み取っての返しを
出来るようにならなければ・・・・ということではなく、
当事者さんとしての特性の上に、
周囲との親和性を高めることで、その方の雰囲気を、
定型から反射的にはじかれない程度に、
共感性・親和性のあるものになら、
出来る(成れる)のではないか
と言うことなのです。

また、僕は実際こうした雰囲気を身につけた当事者さんを何人か知っているのですが、「何らかの個性があったとしても、根は悪い人じゃないし、これがいいやん~」的なキャラで、世間に馴染んでらっしゃるように感じます。

ただ、このあたりの無理のない社会適応をする為にも、
まずは、当事者さんが、周囲から受け入れられる環境下で、
その方の本来の個性が解放的に現れてくることが、
必要なのだと思うのです。
そこを昨日・一昨日の記事では書きたかったのです。

さて、そんなことを、お二人のコメントから、
改めて考えさせていただきました。

明日は、こうした無理のない社会適応の為に、
周囲に必要な心構えについて考えてみたいと思います。






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