にほんブログ村】 クリック励みになります!

今日は、「共感的感性・態度の乏しさ」について、その特性が、人間関係のどの様なところに関与しているのかに踏み込んでみたいと思います。

【「共感的感性・態度の乏しさ」が対人関係で持つ意味】
昨日説明しましたように、この特性は、
人間関係の一番表面の部分に、
直接的な影響を与えているようです。

別の言い方をすると、
その人が周囲になんとなく感じさせるところの、
雰囲気や印象に関係が深い
ようなのです。

そして、「共感的感性・態度の乏しさ」は、
初対面やまだ関係が浅い時期の
印象に強く関わっている
と、僕は考えています。

「ひと懐っこい」「話しやすい」「親しみを感じる」
「ひと見知りしそう」「ひと嫌いな感じ」
「あけっぴろげな印象」「閉鎖的な印象」
・・・などとして、周囲に捉えられる雰囲気に、
影響を及ぼすようなのです。

もう一歩すすんだ関係では、
「なんだか、気持ちが通わない」
「ココロが通じ合わない」「ノリが悪い」
などと
周囲に誤解を産むこともある行動や
特性にも関与しています。

 つまり、当事者さんには、周囲と仲良くしたいという気持ちがあっても、どうもなじめないという時に、障害特性としての「共感的感性・態度の乏しさ」が、その方の印象を、周囲に「どうも、通じ合わない人」と感じさせてしまっている可能性がある訳です。

 もう少し具体的にいうと、定型発達者にも傾向としてこうした気質を持っている人は数多く居る訳ですが、当事者さんの場合は、「特性としての共感性の薄さ」「その気持ちを持っていても、態度の表すことが余り上手くない」ところで、この特徴が顕著に現れている人が多いのでしょうし、それが単なる性格である定型のそれとは、質的に全く違っているのでしょうね。

【本人にはわかりにくい、特性の現れ方】
そして、この特性が難しいは、
当事者さん本人には、自分の特性の現れ方が、
わかりにくい
という点です。

 つまり、当事者さんの自覚としては、自分にそんな面があるとは気付いていない、あるいは自分のどんな面がそのように解釈されてしまうかについて、理解されて居ないケースが多いと感じます。時には、理解していたとしても、誤った情報を受け取り、間違った解釈をしているケースもあります。
 もちろん、定型発達者であっても、自分がかもす雰囲気には気付きにくいのですが、特性上、他者からの視点を持ちにくい当事者さんには、尚更、その傾向が強いように感じます。また、二次障害があると、誤解釈の可能性も高くなり、本人の問題解決を阻んでいるとも感じます。

 しかし、ここに含まれる行動や特性は、周囲にとってはその人の印象として、はっきり判りやすく、直感的に感じやすい項目でも有ります。というか、その人の印象として、勝手に感じられてしまう項目なのです。つまり、この特性は、見た目の印象として強く反映しますので、当事者さんの内面の真実に関わらず、その方の周囲からの見え方を左右してしまいます。

つまり、このグループの障害特性が、
当事者さんが周囲に与える印象を、
本来持っている性格とは
違ったものに感じさせている可能性がある
訳です。

当事者さんにとっては、
自分が周囲に見せてしまっている
自分の姿がわかりにくい
ために、
なぜ、自らがここまで阻害されてしまうのか、
そこを正しく捉えることができずに、
誤った禁止令を自分に課してしまったりして、
この障害の問題を、自ら複雑にしてしまっている
と、
僕には感じられるのです。

【周囲のほうが強く特性を実感する特徴】
このグループの特性から、現れる行動は次の様なものでした。
a)他者の気持ちとの共感性に乏しい
b)意図や意識を、他人と共有できない
c)自分のペースで主導したがる
d)集団的風潮(学風、企業気質) と同調できない
e)特定のことに興味がかたよりがち

このグループの問題解決には、
当事者さん自身では自覚しにくい行動として、
周囲にのみ強く印象を与える特性がある
ようです。
この特性に、そうした傾向がある事を、
当事者さん自身が、改めて理解することが、
自己分析や障害理解に大切だと思い、
今日の話ををさせていただきました。

この特性に関しては、
自分目線の実感だけではなく、
周囲目線での自分の姿を知ることが大切で、
そこで周囲に見えている姿と、
自分が本来持っている気質や性格の差を、
行動としてどう修正したり、埋めていくかについて、
考えていくことが必要だ
と、僕は思うのです。

言葉を選ばすにはっきり書いてしまうなら、
周囲の反応を誤って解釈したり、
反応の程度を、大きすぎたり、小さすぎて解釈していたり、
そうしたことが、問題の解決を複雑にし、
誤った方向へ当事者さんを悩ませているように、
僕には感じられるのです。

ただ、こうした周囲目線を理解していくことは、
定型発達であっても難しいところがあり、
障害特性上、外からの視線を持ちにくい
当事者さんにはハードルが高いと感じます。
見えないものや経験していないものを
想像しにくい特性も、ハードルを余計に高くします。

そんな中で、問題の解決には、
自分と近い特性を持つ人との
出会いが大切
なように感じます。

いろいろな当事者さんとの出会いが、
自らのイメージ作りにも役立つ
ように感じます。
そんなところで、当事者会のような機会は、
大切なのかもしれませんね。

また、理解ある支援者の元でなら、
特性が起こす行動による誤解なしに、
その人自身の本来の性格を
正しく受け取ってもらえることでしょう。
そんな肯定的な周囲の関わりの中で、
このグループの特性が、周囲と自分に与えている影響を、
正しく理解しなおすことも大切だと、僕は思うのです。

自分の持つ可能性を、正しく評価してもらえる環境で、
自らを、もう一度見つめなおす作業が、
このグループの障害特性には、大切なように感じます。

【このグループの特性のもうひとつの面】
さて、「共感的感性・態度の乏しさ」は、
別のところで、身近で長く付き合う対人関係にも、
影響を及ぼす障害特性
です。

つまり、家族や友人、恋人や配偶者と、
長く信頼関係と親密さを維持するための行動・言動にも、
影響を与えている
ようなのです。

このことについては、次の記事としたいと思います。





皆さんのクリックがとっても励みになります!

【日本ブログ村】ポチっとお願いします~


【告知です!】

日頃の生活を離れ、ゆったりと過ごすお時間はいかがでしょうか

同じ境遇を持つもの同士、悩みを語ったり、

判らないことを聞いてみたり、

互いの経験を交換し合って、問題をひとつひとつほどいていく・・・・

そんなグループを目指して、開催しています。


【参加ご予約はこちらから】

http://cocopv.jpn.org/yoyaku.html


発達障害支援:大阪家族限定グループワークのご案内

2011.08.12(金) 10:00~14:00
大阪市北区・中央区の貸し会議室にて開催!
少人数(10人)制 要予約

発達障害を共に考える会のご案内
当事者・家族・支援者のいずれもが参加出来て、
共に互いの思いを感じ、理解を深める為のワークです。

2011.9.19(月曜・祝) 13:30~17:45(開場13:15)
テーマ「発達障害の誤診問題と精神科薬との付き合い方」
発達障害の確定診断を受けるまでに
17年を要したと言う苦悩と混沌の日々。

その後、セカンドオピニオンの医師の指導の下、
自分にあった精神科薬の種類・量を
模索する日々を過ごし、
数年を掛けて、
その組み合わせを見つけるまでの日々。

そんな貴重なお話を語っていただきます。

フェルデンクライス・ボディーワーク教室のご案内
ゆったりとした時間の中で、
ココロとからだの調和を取り戻していく教室です。
無理な姿勢や激しい運動は一切ないので、
お気軽にご参加いただけます。

2011.8.2(火) 18:30~20:30
2011.8.23(火) 18:30~20:30
大阪市北区・中央区の貸し会議室にて開催!
少人数(6~8人)制 要予約