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発達障害部門 第3位


今日から、「共感的感性・態度の乏しさ」「想像性と抽象概念理解の障害」と「状況把握の困難」、「認知と思考の基礎能力」について、グループごとの傾向と、これらの項目が、周囲目線・当事者目線でどのように受け取られたり、感じられているかについて、考えを深めていきたいと思います。

さて、昨日お見せした表を再度見ていただきましょう。


図4(文字が見えにくい場合は画像をクリックしてくださいね)


この図で示していることは、
それぞれの障害や困難のグループが、
人間関係にどういう意味を持っているか
ということ。

そして、グループごとに、周囲目線と当事者目線とで、
特性の感じ方の強さ、捉え方に違いがある
ということです。

周囲目線では、上に行くほど、特性に起因する行動が目に付き、相手の印象として強く実感されてます、反して、下に行くほど、結果としての行為や現象は見えていても、その裏にある障害特性は見えていないということです。

逆に、当事者目線では、下に行くほど、障害は、日々の生活レベルでの困難やつらさとして強く実感されていますが、それらは周囲の人たちにはなんでもないことなので、そのつらさは理解されません。当事者側としては、余りにつらいので、色々な不適応行動として現わさざるを得ませんが、周囲には、その裏にある障害としての困難さは、全く伝わりません
 また当事者目線では、上に行けば行くほど、自分では判りにくいものになるため、中々自分では、障害がどんな行動として現れているのかを実感できません。特性が、外に向かってのみ現れていく特長があるので、自分ではその特性の実態がつかみにくい訳です。また、つかんでいたとしても誤った解釈をしてるケースも少なくありません。

こうした互いの認識の違いやズレが、
昨日書いたところの認識ギャップなのです。
そして、このズレやギャップが、
発達障害の当事者さんに、
生きづらさを感じさせる元凶なのではないかと、
僕は考え始めているのです。

また上記のように、周囲には強く認識されているのに、
自分には見えにくい特性があったり、
自分では、日ごろ悩まされ続けて、
強く意識されている特性が、
周囲にはその存在すら全く気づかれにくい
ということ。
そうしたグループごとの性質を、
当事者さんが改めて知ることが、
自己分析や自己確立に大切なのでは
と感じるのです。

では、次からは、3つのグループのそれぞれについて、
少し詳細に述べていきましょう。

【多様な現れ方をする「共感的感性・態度の乏しさ」】
まずは「共感的感性・態度の乏しさ」からですが、
このグループは、よく言われる障害特性のうち、
次のようなものを指しています。

a)他者の気持ちとの共感性に乏しい
b)意図や意識を、他人と共有できない
c)自分のペースで主導したがる
d)集団的風潮(学風、企業気質) と同調できない
e)特定のことに興味がかたよりがち

集団から孤立したり、阻害される現れ方もあれば、
c)のように、集団には属しながらも、
周囲の人たちが共有する空気から
はみ出しててしまうという、現れ方もあります。

【色々な現れ方をする共感性の薄さ】
こうした「共感的感性・態度の乏しさ」ですが、これは、定型発達特有のコニュニケーション形態が、当事者さんには、認知能力として乏しいのであり、そのことに対して関心が薄いことが原因としてあるようです。

その形態とは何かというと、
定型発達者は、対人コニュニケーションのところで、
相手の気持ちを感じたことをフィードバックしたり、
相手の意図を汲んで、気遣いをしあったりして、
互いの信頼関係や絆を深めていく特性
です。

これを、ある当事者さんは、
「定型発達の相互理解の快感原則」と言い方をされます。

このやり取りが、定型発達にとっては心地よいのであり、
互いにやり取りしあうことで、
より快感として共有しあう
ということでしょうか。

しかし、当事者さんの場合は、
こうしたものをくみ取れないばかりではなく、
そもそも余り関心も無く、定型的なコミュニケーションも、
左程、心地よいとは思わないそうなのです。

ですから、経験やスキルがあがってきて、
コミュニケーション力の向上として、
定型同様のことが出来るようになってきた人の中には、
「やろうとすれば出来るけど、疲れるし、
 心地よいとも思わないので、
 出来ればそっとしておいて欲しい。」
と感じる方もいるようです。

当事者さんのこうした感性の薄さが、
集団から孤立する形で行動に出るタイプ
は、
孤独型や受動型と呼ばれ、
集団に属したままであっても、
相手の思いより自分の思いを優先しがちで、
その集団が共有している不文律や空気を無視したり、
相手の感情や許容度を超えて関わるタイプ
を、
積極奇異型というのかもしれませんね。

【先天的に存在する共感性の薄さ】
 こうした共感性の薄さは、早くも赤ちゃんの頃から、母親への愛着行動の薄さとして、顕著に現れてきます。発達障害を持つ多くの子が生後半年ごろまで「手のかからない子」と思われたり、定型発達の母子に見られる「互いに目を見合わせてにっこりと微笑みあうような行動」が乏しかったり、薄かったりしてしまうのは、この障害特性が早くも現れているからなのだそうです。このことにより、母親は本能的な感性として傷つき、母子間に複雑な感情を抱かせてしまうこともあるようです。
 
 学童期から思春期に入ると、当事者さんの「共感性の薄さ」は、集団の中の浮いた存在として、彼らに特有の雰囲気を持たせているのかもしれません。彼らにしてみれば、別に自ら、意識して周囲に疎遠にしているわけではないのですが、みなが持ち合わせる「共感的なやり取り」が薄いことで、だんだん周囲と溝ができていくのでしょうね。

「共感的感性・態度の乏しさ」はこのように、
当事者さんと周囲の対人関係の、
一番表面部分にあたる行為や言動に、
直接的な影響を与える特性だといえるでしょう。

今日はここまでとして、
次回は「共感的感性・態度の乏しさ」
が、
対人関係のどんな役割に影響を及ぼすのか、
そのあたりについて、一層、踏みこんでいきたいと思います。




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