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発達障害部門 第2位

今日から特性理解のところで、新しいシリーズを始めたいと思っています。「発達障害 三ツ組の特性だけでは語れないもの」という題のシリーズです。

【三つ組の特性だけでは語りつくせない実態】
さて僕は、当事者さんにせよ、家族・支援者にせよ、本などに書かれている障害特性に、どこか府に落ちない思いを抱える方が、案外多いように感じます。

ひとつ目の理由として、この障害を語る時に「コミュンケーションの障害」「社会性の障害」「こだわり行動」のいわゆる三つだけで、全てが言い現らわせているとは、どうも思えないことが、先ず挙げられます。

次に、この三ツ組はいずれも、大なり小なり、定型発達も含めた多くの人が持っている気質と混同されがちです。「場の空気が読めない」「集団になじめない」「人の顔色が読めない」などと言っても、定型発達にもこうした気質をもつ人は居るので、「誰にでもあることでは!?」と、一向に障害理解は深まりません。「こんなに困まっているのに」とモヤモヤ感は増すばかりです。

実際、当事者さんの困りごとは、多岐に渡っているのに、多くの特性は、主要でないように扱かわれている感も否めません。僕が感じますに、認知特性や思考パターンの傾向などは、当事者さんにとって、非常に身近であり、日常的に困っていることの割には、あまり語られることも少ないようです。そして、このあたりについて、しっかりと系統立てて説明し、理解を深めていくことは、この障害の困難や苦しみを、世間に伝えていくところで重要だとも、僕は感じて居ます。また、こうした整理をすることは、発達障害の自己分析や自己確立にも大事なのではと思うところもあります。

さて、まず今日は、このシリーズの全体像をざっくりとお示ししたいと思います。

【原因から特性を見つめなおすと見えてくるもの】
さて、三ツ組の障害を僕なりに、表現し直すなら次の様に言い替えます。

1.「共感的感性・態度の乏しさ」
2.「想像性と抽象的概念理解の困難」
3.「状況把握と判断の困難」

これは、おなじ三つの特徴ですが、
単なる言葉の言い替えではありません。

図で示すとこうなります。
図1


この言い換えでは、三ッ組を横断的に分類し直しているのです。 なぜ分類し直すかというと、「三つ組の特徴」が当事者さんを外から見た行動面での分類であるのに対して、僕が挙げた「3つの特長」は、当事者さんの内面から見た視点で、整理し直しているのです。

言い換えるならば、
「障害特性による原因別分類法」なのです。

また、この図にもあるように、
従来の「三つ組の特性」を横断してしまうのは、
この新しい分類法で整理しなおすと、
それぞれの項目の原因が「三つ組の特性」を
またいで絡んでいるからなのです。
(なぜ、横断的にまたいでしまうのかを説明することや、
こうした整理のやり直しについては、
かなり長い話になりますので、
一旦あとに回して、話を先に進めますね。)

さて先にあげた三つの特微は、比較的外からも見える特性です。
僕はこの三つを、「社会的行動と判断の特性」
と呼びたいと思っています。

【生活レベルでの困難は他にもある】
また、先にも述べたように、実際の当事者さんには、この他にも沢山の特徴があり、その多くは生活レベルでの困難の元になっています。

4.「感覚上の特性(過敏・鈍麻)」
5.「視知覚認知の特性」
6.「身体・感情情報の伝達と認識の困難」
7.「思考パターンの特性」
8.「記憶形態の特性」
9.「その他の特性」

この7つは、
「認知と思考の基礎能力」と呼びたいと思っています。

図で示すと、このように整理できるかと思います。
図2


ここまで読んでいただいて、すこし学術めいていて、
難しい話のように感じた方がいらっしゃるかもしれませんが、
この先の話も、それほど難解なものではありません。
ご安心くださいね。

【僕自身、腑に落ちずに、真実を求めていた頃】
さて、僕自身、この障害のことを知り始めた頃、
息子の脳とココロで起っていることを知りたいと、
懸命に本やネットをあさりましたが、
やはり、当時、どこまでたぐっても、
この障害のことが実感できそうな気がしませんでした。

三つ組だけでは、目の前で生活している息子の実態と
重ならなかったのです。
そして、当時僕が無意識に感じていたのは、
「発達障害には、三つ組以外に彼らを支配している、
もっと別の何かがある」
ということでした。

そんな中、やがて僕は複数の支援団体に出入りするようになり、
そこで実際の当事者さんと、貴重な関わりを沢山頂いたのです。
そうして見えてきたものは、やはり本で読んだものとは違う、
彼等の世界の実態でした。

このシリーズでは、そんな「三つ組とは別な何かの実態」に迫ってみたいと思っています。

もちろん、今の僕は、「発達障害」のほんの一端を知ったに過ぎない訳ですが、この2年数ヶ月の当事者さんとの関わりの体験と、このブログを始めて以降の約8ヶ月の障害観の練り直しと内省の日々の中で、ひとつ何かが、自分の中で形作られた思いを、今、抱いているのです。

このシリーズは、ある意味、このブログを始めて以降の、
僕の歩みのひとつの「中締め」
でもあります。

これからのシリーズの展開を、
是非楽しみにしていただけたらと思います。





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