発達障害部門 第8位
発達障害があると、どうしても「自分視点」に偏りがちな傾向があるようです。といっても、性格上の自己中心的という話ではありません。人からの目線で自分を評価することが、特性上、この障害にとっては、難しいのかもしれません。今日はそんな記事です。
【他人目線の評価と自分目線の評価】
自分が自分を評価するとき、二つの方法があります。
まずは、自分目線の評価です。
例えば、学生さんが「中々勉強をやる気になれないとき」に、
そこをどう評価したり、感じるかですが、
自分目線だけで見ると次のようになります。
「やらなければいけないのに、始めないなんて、駄目だ」
「一体、なぜ、自分は、こうもすぐにやる気を起こせないんだ」
ところが、これを他人目線で見ると、
別の評価になる場合があります。
「まぁ、いつもいつも勉強は出来ないけれど、
中くらいの成績ではあるんだし、
これなら親も怒ってはこないから、
まぁ、いいだろう」とか、
「自分には、得意な趣味があり、
そっちのクラブ活動で頑張っていて、
先生たちも評価してくれているんだから、
そんなに、自分を責めることはないや」と。
こうした考え方は、定型発達にありがちな思考パターンで、
他人の評価で、自分の行動を定めていくことで、
社会や集団のの規範の範囲内に、
自分を調整するやり方なのでしょう。
つまり、「こういうことをしたら、人からどうみられるだろうか」
という視点で物事を見ると、違った評価が出来るわけです。
「みんな、そんなにガツガツ勉強している訳じゃないんだし、
まぁ、自分もそこそこはやってるんだから、
こんなもんだろう」などと、
他人との比較で、自分の行動を定めるやり方も、
他者目線の評価のひとつです。
【ウソも方便にも、他者目線が利用されている】
例えば、うそをつくときも、
「こういう理由があれば、最悪、うそがばれても、
周囲から激しく非難されることはないだろう」
というのも、他者目線を使った行動判断です。
また、「あの人になら、
こういう風に言っておけばいいだろう」というのも、
やはり同じ他者目線で、このように、
対人関係を円滑に運ぶことにも使われています。
他者目線には状況判断が欠かせません。
そんなところで、発達障害者には、
他者目線より、自分目線が中心になりがちなのかもしれません。
【自分目線がもたらす、本来正しい行動】
さて、自分目線中心なことは、
何も悪いことばかりとは、僕は思いません。
周囲のムードに惑わされずに、その人なりの基準で、
しっかりとした行動が取れる場合もありますよね。
例えば、世間が戦争に向かっていくとき、
世論すらそれを擁護し、むしろ鼓舞し、
集団の狂気のようなことが起こってしまいます。
そんな時に反戦主義を唱え続けるような人の中には、
ひょっとしたら、発達障害の人が居たのかもしれませんね。
世間が間違っているとき、正しいことを言う人は異端者になります。
村上春樹さんが、原発問題後に、
「これまで『ゼロ原発など現実的でない』と言われた時、
反論できなかったことを反省したい」と述べてらっしゃいました。
これからは「偉大な非現実的夢想家」
でありたいともおっしゃっていました。
この「偉大な非現実的夢想家」とは、
発達障害者にこそ送られるべき賞賛の言葉なのかも入れません。
発達障害のDNAが、人類に脈々と受け継がれているのには、
そんな必要性があるのかもしれませんね。
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