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昨年一度記事にしたエピソードですが、親子にまつわる諸問題を語る上で欠かせないテーマなので、もう一度紹介しますね。佐々木正美さんの「アスペルがーを生きる子ども達へ」の中から、あるお母さんの後悔の話を、今日は記事にしますね。


【親は、理解者?偏見者?】

さて、この本の中で、佐々木正美先生は、

「親は最大の愛情を持って

 『理解者になりたい』と思いながらも、

 同時に偏見者になってしまう」と書かれています。


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一見、相反するようなこの言葉に、

発達障害の親子にまつわる真実が、

象徴されているように感じます。


熱心な親であればあるほど、子どもを傷つけ、

重篤な二次障害を負わせてしまう可能性があることを、

示唆しているのでしょうね。


しかし、僕はそんな親御さんも、

子どもを愛すればこそ、

知らずに追い込んでしまうことを知っています。

この障害には、そんな宿命的な悲劇があるようなのです。


【ある母親の後悔】

さてこの本では、発達障害の親御さんの集まりで発言した、

ひとりの母親のエピソードが紹介されています。


「30歳を過ぎた息子は、幼児期に自閉症と診断を受けました。

 その時に、『そんなはずはない』という気持ちと、

 『そうであっては困る』という気持ちが入り混じって湧き上がり、

 ~(中略)~

 『自分の努力によって、この子を自閉症でない子どもに

 育て上げよう』、そう決心しました。


このお母さんは、息子に、自閉症と診断を下した医師に、

子育てで、「普通」になるよう成長させることで、

見返したいと考えてしまったのですね。


そして、

「それからなんとか治そうと、必死にやってきたところ、

 我が子は、二次反応をいろいろと起こしてしまいました

 それは大変ひどい状況になってしまったため、

 家庭では、とても一緒に暮らすことは出来なくなってしまいました。」

と告白されたのです。


この親御さんは、最後に

私はみなさんに勇気をふりしぼって話しているのです。

 どうか、こういう間違いをなさいませんように。」

と語られたそうです。


【無理解で熱心な支援者・・・・】

同じ佐々木先生の言葉に、

「当事者さんにとって、無理解で熱心な支援者が一番困る」

というのがあります。


特に、「普通であってほしい」という親の願いは、

この障害には裏目に出ることが多いようです。


良くコメントを寄せてくださる居眠りネコさんの言葉に、

こんなものがあります。


「10代の頃、私が最も失望した励ましは

『普通にしていたらいい』(by母親)だった。」



定型発達にとって、何の気なしに使う言葉ですが、

当事者さんにとっては、「普通は○○する」とか、

「みんな、そうしてる」という尺度は、最もわかりにくく、

もっとも苦しめられる元となるようです。


また、周囲の子達と同じであることを求められても、

そこには障害特性から、

同様には振舞えない理由と原因があるわけで、

子どもに「普通」であってほしいと願う親の思いは、

障害特性を持つ子どもの在りようを

否定しているに他なりません。


「普通であること」を熱心に親に求められた発達障害児は、

自分が「なぜ普通に出来ないのか」も判らないまま、

親の期待に応えられない自分の存在そのものを、

否定していかざるを得なくなるのでしょう。


この苦しみは、当事者さんにとって、

最大の苦しみなのかもしれません。

一番理解してほしい親から、

自分の在りよう、そのものを否定されているに等しいからです。



しかし、僕は子どもに「普通であってほしい」と願う、

親御さんの気持ちも判らないではありません。

というよりも、僕も以前はそうした親の一人だったのです。


子どもが、世間で必要とされる常識を身につけ、

周囲と同じように行動できるようにするのは、

どの親にとっても、最大の課題なのでしょう。


で、あるからこそ、この障害では、

悲劇が何度も繰り返されるのだと思います。


子どもに発達障害があるとわからないと、

彼らの行動は、親にとっては不可解であり、

困惑の元となってしまいます。


そして、その困ったところを直そうと懸命になった結果、

子どもの心は自己否定感で満たされ、

二次障害から、精神疾病を発病するにいたってしまいます


しかし、もしこれまで、子どもの発達障害に気づかなかったために、

ご自分のお子さんを二次障害に追い込んでしまったとしても、

二次障害は疾病なので、治療することが可能です。

一気に、事態を改善するのは難しくとも、

一歩一歩、回復の階段を上がっていくことは可能です。


親御さんが、障害特性を知り、

お子さんが真に困っていることを知ることで、

無理解な叱責は、理解ある応援に変わります


これまでは知らなかったばかりに、

お子さんに負担をかけてしまったとしても、
これからは、お子さんの特性を知り、

共にこの障害を乗り越えていくパートナーとなってほしいと思います。


この障害は、決して克服できないものではないと、

僕は感じています。

まずは、家族が障害特性を正しく理解し、

彼等の行動の裏にあるものを正しく知り、

見た目で彼らを評価せず、

当事者さんの在りようそのものを肯定的に受け入れるところから、

始めていただきたいと思うのです。




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本文でご紹介した本です。


佐々木正美先生の新刊

「 アスペルガーを生きる子どもたちへ  :日本評論社」



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「自閉症の人が、自閉症のまま、

幸福に生きていくことが出来るように」

そんな願いを込めて書かれた本だと、

僕は感じました。


おすすめ本です!





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