【にほんブログ村】 クリック励みになります!


以前少し書いたことがあるのですが、発達障害の当事者が、事件を起こし容疑者として取調べを受けた場合に、「そこまで話さなくて良いよ」ということまで、詳細に供述してしまうケースがあるようです。こうした行動は、自分の言動が及ぼす影響を、考慮できないことが原因となっているようです。今日はこのあたりに触れてみますね。



【事件供述での事例】

以前も少し触れたことがあるのですが、

冒頭の事例は、

昨年の大阪自閉症協会の講演会で紹介されていたお話です。


講師の橋本先生が、

前職の裁判所の調査官であった頃の、

経験からご披露くださったエピソードです。


定型であれば、事件供述の際に、

自分から不利になることを、

ベラベラしゃべったりというのは少ないといいます。


素直に罪を認める場合はありますが、

それは裁判官や検察官に情状を酌量してほしいからであって、

それもひとつの駆け引きからやっている訳です。


しかし、橋本教授のご経験からすると、

彼等の言動は、そうしたものとは全く異質であったとおっしゃっています。


聞いてもいないことまでしゃべってきたり、

「そこまで言うと、不利になるよ」というような供述が多かったと。


ご存知の通り、被疑者にとって黙秘権は正当な権利です。

ウソの供述をする事は罪になりますが、

聞かれもしないことは、黙っていても罪にはなりません。


しかし、当事者さんの場合は、

このように自分にとって有利・不利を考えて、

供述する事に困難があるようなのです。


これも状況把握や説明の困難や、

想像性の障害が起因しているのでしょうね。



【大騒ぎの中のとぼけた言動】

また、ある事例ではビックリするようなことがあったと、

ひとつのエピソードを紹介してくださいました。


それは、マスコミで大々的に報道された

少年犯罪の容疑者が裁判所に移送されてきた時の話だそうです。

車が到着する前から、記者が大勢待ち構え、

裁判所に入る時は押し合いへし合いで大変だったそうなのですが、

その様子を見た容疑者が、

「なぜ、彼等はあんなに集まっているのですか?」と、

聞いてきたことがあったそうです。


橋本先生も、これには「えっ~!」と思ったそうですが、

あとで良く考えてみると、

自分の起こした事件の影響力を正しく認識できず、

起こった事態の因果関係を

つかめていない様子だったとおっしゃっていました。


これもひとつ間違えると、

「その容疑者の人間性や性格が、

疑がわれかねない言動と取られてしまう」と、おっしゃっていました。

確かに、情状酌量の余地を感じないふてぶてしさ

・・・と受け取られることも、きっとあるのでしょうね。



【日常生活にも、埋もれている状況把握の苦手】

これらは、事件供述という特殊な環境下のエピソードではありますが、

日常生活においても、きっと似たようなことはあるのだと思います。


人によっても特性の強弱はあると思うのですが、

自分の言動の及ぼす影響や、

その関係性がつかめないと言うのは、

人としての生きづらさに、直結する困難だと思うのです。


このことは、あまり本などでも語られていない特性だと思うのですが、

むしろ、発達障害を持って生きていく上で、

大きな困難となっているように感じます。


本人にとってもそうですが、

支援する家族や周囲の人達にとっても、

困惑する事態を引き起こすことの多い

「状況把握の困難」の特性。


もう少し、いろいろなところで、取り上げられて、

周囲がそうしたことがあるということについて、

認知が広まる必要があると、僕は思うのです。



【告知】

読者アンケート を実施しています。

今後の記事執筆の参考にしますので、ご協力お願いします。




にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

皆さんのクリックがとっても励みになります!

【日本ブログ村】ポチっとお願いしま~す


【告知です!】

日頃の生活を離れ、ゆったりと過ごすお時間はいかがでしょうか

同じ境遇を持つもの同士、悩みを語ったり、

判らないことを聞いてみたり、

互いの経験を交換し合って、問題をひとつひとつほどいていく・・・・

そんなグループを目指して、開催しています。


発達障害支援:大阪家族限定グループワークのご案内

2010.01.14(金)  10:00~14:00

2011.02.10(木) 10:00~14:00

大阪市北区・中央区の貸し会議室にて開催!

少人数(10人)制 要予約