昨日の記事(→詳しくはこちら )で、当事者さんと関わっていると、「そんなことをしているとまずいよ」とか「そんなことを続けていると、こんなことになって、大変だよ」
というアドバイスを、中々聞き入れてくれないということを書きました。今日は、そこについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
以前、ある当事者の方と話していて、
「僕らには、見えないものは『無い』とおなじですからね」と
言われたことがあります。
これは極端な言い方をしていると思うのですが、
確かにそのような傾向もあるようにかんじます。
「どうも、いやな予感がする」とか、
「そのままじゃ、まずいよね」というような、
漠然とした状況がつかめずに、
周囲はハラハラしていても、
本人は平気で居るようなところを感じることがあるからです。
【実物を見たとたんに態度が変わった事例】
さて、お母さん方と話していると、夏休みなどの宿題に非常に苦労するとお聞きすることがあります。いつまでも、宿題を始めないし、言っても中々聞かないので、大変だとおっしゃるのです。これも、子ども特有のなまけた態度なのかもしれませんが、「宿題をためると、夏休みの後半が大変になる」という状況を把握しきれず、周囲ばかりが焦るようなことなのかもしれません。
片や、宿題をすることが習慣化しているお子さんは、夏休みの2/3を終わる頃にやり上げてしまうような子も居るようです。しかしこれも、先を考えてやっているというよりも、やる習慣がかえって心地よいから、しているようにも感じます。
いずれのケースでも、特性がそこに横たわっているように感じます。
発達障害児って、どうも極端で、愉快だなぁと思うところです。
(愉快だなんて、お母さん方、ごめんなさいね!)
【沢山の在庫を抱えていても、へっちゃらな事例】
さて、ある当事者さんが、
実物を見たとたんにコロッと変わった話を紹介します。
これはあるNPOであったことなのですが、
そのNPOでは、活動のために啓蒙冊子を3年計画で印刷したそうなのです。
ところが、そこの代表が体調を崩したこともあったのでしょうが、
突然、講演会の開催計画を中止にしてしまった、
というのを聞いたことがあります。
スタッフは、「急に中止したら、在庫がだぶついて困ります」
と口々に訴えたそうなのですが、当事者である代表は、
全く聞き入れてくれなかったそうです。
その冊子の在庫は、スタッフの自宅に分散して置いてあったのですが、
みんなで話し合った結果、数百冊分の沢山の在庫のダンボールを、
代表の自宅に送ってみたそうです。
そうしたら、まもなく、「講演会を再開しよう!」と言い出したそうです。
本を売らなければと、ようやく思ったようなのです。
そして、一旦言い出すと、
「あれはどうなっている」「これはどうなのだ」と大忙しで、周囲は驚いたそうです。
スタッフは「だから、あれだけ言ったのに」と思ったそうですが、
どうも、実物を見たことで、ことの重大さがやっと伝わったようなのです。
【変わり身の早さに驚く周囲】
この話、スタッフは、余りの変わり身に驚いたようなのですが、
把握していない状況は全く考慮しないところと、
把握した途端に、そこに極端に注視するところも、
当事者性が出ているように感じます。
「見えないものは「無い」と同じ」であると同時に、
「一旦見えてしまうと、気になって仕方がない」という気質もあるようです。
そんな当事者さんに、周囲は振り回されて大変なこともあります。
どうして、こうも極端なんでしょうね。
愉快だなんて、言っていたら、怒られてしまいますかね・・・・^^。
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