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発達障害の代表的な障害ごとに、それらに起因して起こってしまう不思議な行動について、原因を探っていくシリーズを始めています。最初に「想像性の障害」をテーマとして語ってきましたが、次は「状況把握の困難」について、考えてみたいと思います。



【三つ組の困難の主要原因とは】

以前にも述べましたが、発達障害の三つ組では、社会性の障害、コニュニケーションの障害、こだわり行動の3つが挙げられていますが、ぼくは、この3つの困難の多くの原因が、「想像性の障害」と「抽象概念の把握の困難」によって引き起こされていると考えています。


そして、当事者さんにとっての実生活の困難が、これだけなのかと言うと、そこについての異論は、先日記事(→詳しくはこちら )にしました。しかし、ここでは、それはまず脇に置き、主要な困難である三つ組を引き起こす主因である「想像性の障害」に続いて、「抽象概念の把握の困難」について掘り下げてみたいと思います。



【抽象概念の把握困難とは】

まず、「抽象概念の把握」ということですが、簡単に言うと目に見えないものを感じ取る」ということです。ひとことで抽象概念の困難と言っても、それはいろいろな場面で障害特性として現れていると、ぼくは考えています。


一番よく言われるところでは、

・暗黙の了解がわからない

・あうんの呼吸がつかめない

・場の空気が読めない

・・・というような事が起こるのも、

「抽象概念の把握」に困難があるためだと、考えるのです。


定型発達は、目に見えないこうしたものであっても、

その場の周囲の人々の反応や表情、台詞、口調などから、

なんとなく「それ」を感じ取っていきます。


しかし、こうしたことは、発達障害の当事者さんには、

容易な事ではありません。


他にも、

・状況を把握したり、適切に説明する事が苦手

・・・という特徴もあります。


ここでは、比較的わかりやすい、

「状況把握や状況説明の困難」について、話を深めていきます。



【自分の置かれている状況の見極めが難しい事例】

当事者さんと関わっていると、

「そんなことをしているとまずいよ」とか

「そんなことを続けていると、こんなことになって、大変だよ」

というアドバイスを、中々聞き入れてくれないという話を聞きます。


こうしたことにも、「状況把握の困難」は、影をさしています。


人が何となく感じる、

「どうもこれはまずいぞ!」とか

「何となく嫌な予感がする・・・」

「このままでは、大変なことになりそう」といった状況判断は、

どれも目に見えたり、形があるわけではありませんが、

定型はそこを感じて、判断基準として使って生きていきます。



【定型は常に、周囲に照らし合わせて、自分をチェックしている】

こうしたことの他にも、定型発達は生きていく上で、

単純な善悪ではないことを、

いつも意識して生きているのではないでしょうか?


それは何かと言うと、

「自分は周囲からどう見られているか」を常に確認し、

何か行動を起こす時には、

「こんなことをすると、どう見られるだろうか?」

ということを、チェックしていませんでしょうか。


定型は、この判断の中で、社会の規範から外れないように心がけ、

集団からはみ出さないように、常に意識を働かせているのでしょう。



【抽象概念がわからないことの意味】

しかし、発達障害の場合、

想像性の障害から、

他人の意図や思いを感じるところに苦手があり、

また、抽象的な状況を把握でき難い為、

判断基準とする対象が非常に狭く、

周囲から見ていると、あぶなっかしく見えたり、

「なんでそんな判断をしてしまうのだろう?」と
不思議に映ってしまうことも少なくない
ようです。



【自分の身の丈を、うまくつかめない事例】

例えば、自分の進路を決めるような時にも、

この困難は、大きな影を落とすようなのです。


極端な例ですが、「自分には何も特技がないから」と、

「タレントになる」と言い出して、

周囲がなんと言っても聞いてくれない当事者さんの事例を、

本で読んだことがあります。


本人にしてみれば、「どうすればタレントになれるか」のように、

曖昧で基準のはっきりしないことを、認識するのは難しいのでしょう。

また、一度思い込んだことを切り替える難しさが、そこにはあるようです。



【生活面でさまざまに影を落とす「状況把握の困難」】

進路はひとつの大きな分岐点の事例ですが、

生活は日々選択の連続であることを考えると、

「状況把握の困難」は、当事者さんの生活に、

大きな影を落としていると言えます。



二次障害を抱えた当事者さんに、

不安障害が強かったりするのも、

いつも状況を判断しながら選択をしていくことが、

難しいからだと思われるのです。


また、障害特性の「習慣性を好む」特徴も、

毎日同じ繰り返しをしていれば、

「状況判断」を求められる機会が少ないからなのでしょう。


このシリーズでは、沢山の事例を挙げながら、

この障害の実態について、探って行きたいと思っています。

少し長いシリーズになると思いますが、

是非お付き合いくださいね。



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