発達障害部門 第2位
特別支援教育 第5位
当事者さんと交流させていただくと、彼等の真面目さや純粋さをつくづく感じます。お付き合いしていても、気持ちのよい好青年が多いように感じます。今日はそのあたりについて、お話してみたいと思います。
【真面目で純粋さが良い当事者さん達】
さて、当事者さんの真面目さですが、これは障害特性が良い方向へでているものと、僕は思っています。ウソをついたり、駆け引きをしたりと言うのは、定型の人間関係には付き物で、「ウソも方便」などといって、ある種必要なことなのでしょうが、それだけ純粋差と言う面は失われているのかもしれません。
「当事者さんの場合、ウソはつかない」・・・とまで言うと、
それこそウソにはなるのでしょうが、
失礼な言い方になったら申し訳ないのですが、
「上手いウソは付けない」とは言えると思うのです。
また、彼らとお付き合いしていると、
駆け引きめいたところを感じません。
相手を見て、手抜きをしてみたりとか、
相手の調子に合わせて、上手く立ち回ったりとか、
「ここまではやっても(もしくは、「言っても」)大丈夫だろう!?」
・・・のような態度が、ほとんどないのです。
こうしたことは、「想像性」であったり、
「状況把握」が出来るから可能になるのであって、
これらの能力に苦手のある当事者さんが仮にやったとしても、
きっと上手くはいかないのだろうと思います。
「こうした事が出来ないから、対人関係で苦労する」
と言うのも事実なのでしょうが、
僕は、それも長所と考える生き方も、また有りだと感じます。
【自分の真面目さを認めることで、自分らしく生きるということ】
彼らも成長過程においては、ウソをついてみたり、
その場を取りつくろったりしたことはあると思うのですが、
どうも大抵うまくはいかなくて、
返って窮地に追い込まれるようなことに、なってしまうようなのです。
そこからすると、むしろ、自らのありかたをそのままに、
真っ正直に生きていったほうが、
きっと、彼等らしい生き方なのだろうと感じます。
実際、このように世間を真っ正直に生きていくと、
損をしたり、嫌な思いをすることも、多々あるとは思うのですが、
そこは、自分で咀嚼して、
その生き方で歩んでいかれている方のほうが、
社会適応されているように感じます。
「正直者はばかをみる」とか、
「いつも、あいつはうまく立ち回って、得ばかりする」
と考えていくのも、決して間違った考えではありませんが、
ぼくが関わらせていただいた方々を見させていただく限り、
そんな定型的な生き方と張り合うほう人のほうが、
返って、生きづらさを抱えることに成っているように感じます。
【二次障害が、真面目さをいきづらさにしてしまうケース】
ただ、同じ当事者さんであっても、
二次障害で、他者不信や社会不信が強かったり、
猜疑心で一杯の状態の方には、
こうした純粋な真面目さが隠れてしまって、
表にあわられてこない人もいます。
この場合、真面目さは、硬直した思考や行動(=こだわり行動)となって、
自らの真面目さが、自分のクビを締める様な所で、
別の意味の生きづらさに、繋がってしまうように感じます。
いろいろなことを、デジタル的に、
ゼロか百かで、真面目に判断してしまうところがあるので、
何事も「成功」か「失敗」のどちらかしかないような判断になったり、
出来ないと決め付けてしまうことが増えたり、
かたくなに、否定的なこだわりを貫いたりして、
周囲を巻き込んで硬直化した状況を作ってしまうことも多いようです。
ただ、僕が経験した限り、こうした傾向があった方でも、
二次障害が解けてきて、その方、本来の人柄が表に出てくると、
非常に純粋であったり、ほがらかで、
やわらかい印象に変わっていくのです。
こうして考えると、社会が彼らに理解を示さなかったばかりに、
彼等は本来持っていたしなやかさや、無邪気なこころを、
厚い鎧で封印していたのだろうなぁと感じざるを得ないのです。
当事者さんがパニックに陥ったり、周囲に強圧的であったり、防衛的であるのは、
彼らなりの生真面目さが生む、負の連鎖反応なのだろうと感じます。
さて、僕も、どこかくそ真面目なところを持っていたりするので、
そんな当事者の方々の生真面目さや純粋さと接していると、
なんというか、安心できるというか、心安らぐようなところを感じます。
彼らが、本来持っているやわらかく、しなやかな人柄のままで、
世間の中でも居られるようであることが、むしろ大切なように感じます。
それにはひとえに、周囲の理解が欠かせないのでしょう。
彼等が、鎧を着なければ、生きていけないような、
そんな社会でいいのかなぁと、つくづく感じるのです。
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