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今日は「状況把握の困難」が原因で、物事の因果関係がつかめずトラブルになってしまう事例について、触れてみたいと思います。


さて、発達障害児には、物事の因果関係が中々つかみづらい子が居ます。簡単に言うと、「あれが原因で、こうなっている」ということがわかりづらいのだと思われます。


【因果関係がつかめないトラブル事例】

例えば、A君が何気なく隣の子を押してしまったとします。

当人に悪気は全くなく、それは偶然でした。

ところが、相手のB君は押されたと思って、押し返してきました。


きょとんとしたA君でしたが、

B君に対して、激しく怒ってしまいます。

「なにするねん!」と突き返した結果、

ふたりは掴み合いのけんかになってしまいます。


あとで、先生が両者に聞き取りをすると、

B君は「わざと押されたと思ったのでやり返した」と証言

ところがA君は「ぼくは何もやっていないのに、

急に押されてん」と訴えてきます。


先生が周囲に聞き取りをすると、

どうやら、A君が偶然押してしまった事がきっかけだと判りましたが、

それを説明しても、A君はピンと来ない様子でした。



【当人には中々わからない現実】

これが定型発達の子であれば、

自分が押してしまった事は単なる偶然でも、

それによって相手が怒ったという状況が、何となく判るものです。


ひと言、「あっ、ゴメン」と言えば、それで済む状況です。


そこを押し返した上に、

自分のした事を棚に上げたような態度をとると、

思ったよりも大きなけんかになってしまうこともあるようです。


このように因果関係がつかめないというのは、

意外に大きなトラブルを産んでしまうのです。



【うちの息子の事例】

さて、うちの息子にも同様のことがありました。

1年生の春のことでしたが、

一緒にお風呂に入っていると、

「○○ちゃんに、キモイって言われた」

と女の子の名前を言って、突然泣き出したのです。


結構、深刻に泣くので、次の日妻から先生に事情を聞いてみました。


すると、息子の幼さや無邪気さに原因がある事が判ったのです。


どうも、うちの子は、保育園の頃の延長線上で、

相手が女の子でも、親しみを感じると、

抱きついてしまっていたそうなのです。


ところが相手はもう小学生気分ですから、

男の子から、そんな事をされると、もう嫌がる年頃なんですね。

それで「キモイ」と言ったそうなのですが、

息子には、それが自分に原因があると分からずに、

言われたことだけを受け止めて、

夜になって思い出して、泣き出してしまったのです。


これは笑い話でもなんでもなく、

当人はいたって真面目に言っているのです。

ふざけている訳でも、無責任な訳でもないようなのです。

実際、本当にその因果関係がわかっていないのですね。



【トラブル対処法】

でも、発達障害児も、ちゃんと理由を説明されれば、理解は出来ます。

当然、それはそうなのです。


この場合も妻から、

相手の子が「キモイ」と言った理由について、

息子に説明をしました。


そして、

「もう小学生になったら、

女の子に抱きついたりしたら、

 嫌がられるねんで・・・。

 女の子は、そういうの恥ずかしいねん。

 それはもう、あかんねんで」と話すと、

コクッと素直にうなずき、

もうそれ以降、同様のトラブルはなくなりました。


【説明以上に大切な、相手への共感】

また、こうしたことを説明する際に、

もうひとつ大事なと思うのは、

「君は女の子に『キモイ』っていわれて、嫌やってんなぁ」と、

その子の気持ちに、ちゃんと共感の姿勢を表すことだと考えます。


発達障害児は、話せば判る理知的な子達ではありますが、

本人なりに分からない事が原因で、

たとえそれが社会的にはおかしなことであったとしても、

その当人が傷ついて、悲しんでいる事に、変わりはありません


親や担任の先生が、

当人のそうした気持ちをきっちりと読み取って、

そこに共感の姿勢を示すことで、

より一層本人は、素直に忠告を聞き入れられるのだと思うのです。


「そりゃ、あかんよ!」

「そりゃ、嫌われるわ!」

・・・と言い放つだけでは、

こちらの事情の押し付けに過ぎないと考えます。


発達障害児の事情というか、

あちらの世界の論理に対しても、

その世界にちゃんと足を踏み入れて、

そこに理解を示した上で、

定型の論理を説明する事が、大切なのだと考えます。


発達障害児は、こうした経験を積み重ねることで、

やってはいけないことは、ちゃんと理解して言ってくれるので、

「えっ、なんでそんなことが判らないの?」

と呆れてしまうなどは、最もよくない対応だと考えるのです。


発達の世界も、定型の世界も、

どちらが間違っている訳でもないという視点も、

また、大切ではないかと考えるのです。



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