発達障害の方には、時に不登校やひきこもりなどの無気力状態になってしまわれる方があります。これらの状況は直接障害が起因しているわけではないのですが、ある条件が重なると、こうしたことを起こしやすい傾向はあると思います。よく言われますが、環境因子が遺伝因子に影響を与えるのでしょうね。今日は、このあたりのお話をしたいと思います。


私が発達支援活動でいろいろとお話を聞く中で感じたことですが、発達障害には無気力状態に陥りやすい障害特性があるようです。


1.適度というのが分かりにくいので、無理をしがちである→過集中や過剰適応

2.他者からのネガティブな情報を強く受け取りやすく、

 自己否定感を蓄積しやすい→自己否定・他者否定・社会否定

3.ゼロ百思考の傾向があり、思考や行動が極端になりがちである


私が知る限り、多くの発達障害の当事者さんは、真面目な方が多いように感じます。しかし、物事を「適度」にやるというのが苦手で、極端に真面目にやりすぎる傾向があるようです。一度、熱中してしまうとそれを中々解くことができないと言う「こだわり」は、過集中や過剰適応を産みやすいのでしょう。そんな無理はずっと続くはずが無いので、やがてはうつ病に至ってしまうことがあるようです。


また、他者から批判されたり、からかわれたりなどのネガティブな情報の方を、強く受け取る傾向があり、対人不安や対人不信、やがては社会不信に至ってしまうケースが.多いようでうす。自己否定感の蓄積ですね。


こうした場合、「ちょっと休んでまたがんばる」というような思考にはなりにくく、「頑張る」か「辞める」か、極端に判断して行動しがちな傾向もあります。


それよりなにより、過剰適応や自己否定感の蓄積の結果、当事者さんは精も根も尽き果てて、無気力状態になってしまうことがあるようです。一旦、こうなってしまうと、深く降り積もった自己否定感を払拭するのは容易な事ではなく、「自分はダメな人間だ」「なにをやっても上手くいくはずが無い」「生きている価値がないのだ」と、思考は凝り固まってしまい、そこから中々抜け出せなくなるようです。


しかし、大事なのは、これらの精神状態は、

発達障害の特性そのものではないということです。


精神疾病の症状と考えた方がいいようです。


障害はなくなりませんが、疾病は直すことが出来ます。


時間を掛けて、自己肯定感を積み上げ、


十分な休養を取りながら気力を取り戻していくことが可能なのだと考えます。



一度、引きこもってしまうと、生活の改善は容易ではないと、経験者からもお聞きします。しかし、少しずつ生活ペースを昼型に戻し、近所の外出から慣らしていき、やがて電車やバスに乗れるようになったなら、社会との接触も出来るように成って来るそうです。


今、無気力状態のお子さんであっても、

そこを抜け出せる可能性はあるのだと、

親御さんには信じる気持ちを持ってあげていただきたいと思います。


「親が信じて見守ってくれる」・・・その気持ちは、

きっと当事者さんに伝わっていくと考えます。

伝わっているような態度はすぐには出ないかもしれませんが、

それは障害特性かもしれません。

信じて、じっくり見守る姿勢で、是非お願いしたいと思います。


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