咳喘息の最大の特徴は、痰の絡まない咳が続き、呼吸の苦しさや喘鳴(ぜんめい:ヒューヒュー、ゼーゼーと鳴ること)を伴わないことです。
厳密な診断基準は存在しないので、次のことに注意しながら総合的に判断されます。

・どれくらいアレルギーの要素があるのか

・夜間や明け方に咳が出やすいなど咳喘息が疑わしい症状の出方なのか
・他の病気の可能性はないのか

・咳喘息の治療薬(気管支拡張薬)を使ってみて咳が改善するかどうか


8週間以上にわたって咳が続く慢性咳嗽のうち3割から4割ほどは咳喘息が原因であるとと考えられています。したがって、医師の診察を受けて、病歴や症状から咳喘息が強く疑われる場合には、まず咳喘息としての治療(診断的治療)をしてみることがあります。治療が効くようであれば咳喘息と診断されます。


典型的な咳喘息ではない場合、他の病気と区別するために、以下のような検査が行われることが多いです。

  • 呼吸機能検査
  • 呼気一酸化窒素(FeNO)検査
  • 血液検査
  • 画像検査(胸部レントゲン、胸部CTなど)
  • 喀痰検査


咳喘息は診断が難しいため、常に正しい診断手順というものは存在しないですし、名医にかかれば一発で診断してくれるというようなこともありません。専門家によっては、行う検査も診断名も異なる場合があります。まして自己判断での診断は誤診や重大な病気の見落としにもつながりかねないためお勧めしません。

以前の経験ですが、他院で咳喘息と言われて、2ヶ月の薬の治療しても効果がなかったので、当院でCT検査したところ気管癌が判明しました。
大事なのは最初から咳喘息を言い当てることよりも、治療に効果がないと見れば診断を見直す判断です。