睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する状態を指します。この状態は、気道が部分的または完全に閉塞することによって引き起こされ、結果として睡眠の質が低下し、日中の疲労や集中力の低下を引き起こすことがあります。
エプワース眠気尺度(ESS)問診票
エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale; ESS)は、日中の眠気の程度を評価するための問診票です。以下の状況でどの程度眠くなるかを0~3のスケールで評価してください。
合計点が11点以上の場合、日中の強い眠気があり、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
主な症状
* いびき:大きないびきはSASの一般的な症状です。
* 日中の眠気:夜間の睡眠が断続的になるため、日中に強い眠気を感じることがあります。
* 覚醒時の息切れ:睡眠中に呼吸が止まることで、突然目が覚めることがあります。
* 集中力の低下:十分な睡眠が取れないため、集中力や記憶力が低下することがあります。
リスク
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、以下のようなリスクがあります。
* 交通事故:日中の強い眠気や集中力の低下により、交通事故のリスクが高まります。
* 心血管疾患:無呼吸による酸素不足が心臓や血管に負担をかけ、心不全や心筋梗塞のリスクが増加します。
* 高血圧:睡眠中の酸素不足が血圧を上昇させ、高血圧の原因となります。
* 糖尿病:睡眠の質の低下がインスリン抵抗性を悪化させ、糖尿病のリスクを高めます。
* 突然死:重度のSAS患者は、健常者に比べて突然死のリスクが約2.6倍高いとされています。
診断と治療
SASの診断には、睡眠ポリグラフ検査(PSG)が一般的に用いられます。この検査では、睡眠中の呼吸、心拍数、酸素飽和度などをモニタリングします。
治療法としては、以下のような方法があります。
* CPAP療法:持続的陽圧呼吸療法(CPAP)は、気道を開いたままにするための装置を使用します。
* マウスピース:スリープスプリントとも呼ばれるマウスピースは、就寝時に装着することで下顎を前方に移動させ、気道を広げる効果があります。軽度から中等度のSAS患者に有効です。
* 生活習慣の改善:体重管理や禁煙、アルコールの摂取を控えることが推奨されます。
* 手術:重度の場合、気道を広げるための手術が検討されることがあります。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、適切な診断と治療によって管理可能な状態です。日中の眠気やいびきなどの症状がある場合は、医師に相談して、質の高い睡眠を取り戻し、健康的な生活を送りましょう。

