気胸(ききょう)は、肺の表面にある小さな空気の袋(肺胞)が破れて、空気が胸腔(胸の中の空間)に漏れ出す状態を指します。この結果、肺が部分的または完全にしぼんでしまい、呼吸が困難になることがあります。

気胸の種類

気胸にはいくつかの種類があります:

  1. 自然気胸:特に原因がなく、突然発生することが多いです。若い男性や喫煙者に多く見られます。
  2. 外傷性気胸:胸部への外傷(例えば、交通事故や刺し傷)によって引き起こされます。
  3. 医原性気胸:医療処置(例えば、胸部手術や気管支鏡検査)によって引き起こされることがあります。


この中で一番多いのは自然気胸です。


自然気胸は、以下のように分類されます。


  • 原発性自然気胸:特定の基礎疾患がない場合に発生します。特に若年の痩せ型の男性に多く見られます。
  • 続発性自然気胸:既存の肺疾患(例えば、COPD、肺癌、結核など)に伴って発生します。
  • 月経随伴性気胸:女性の月経周期に関連して発生する稀なタイプの気胸です。


気胸の症状

気胸の主な症状には以下のものがあります:

  • 突然の胸痛
  • 呼吸困難
  • 肩や背中の痛み

症状の程度は、気胸の大きさや原因によって異なります。

気胸の診断と治療

気胸の診断には、胸部X線やCTスキャンが用いられます。治療方法は、気胸の大きさや症状の重さによって異なりますが、以下のような方法があります:

  • 安静:小さな気胸の場合、自然に治癒することがあります。
  • 胸腔穿刺:胸に針を刺して、胸腔内に溜まった空気を抜く方法です。軽度から中等度の気胸に適用されます。
  • 胸腔ドレナージ:胸にチューブを挿入して、漏れた空気を排出します。
  • 手術:再発を防ぐために、肺の破れた部分を修復する手術が行われることがあります。

予防と生活習慣

気胸の予防には、特に喫煙を避けることが重要です。また、過去に気胸を経験した人は、激しい運動や高圧環境(例えば、スキューバダイビング)を避けることが推奨されます。


このように、気胸は突然発生することが多いですが、適切な治療と予防策を講じることで、再発を防ぐことができます。