セ・パ盟主対決は延長11回、小久保の満塁弾という形で決着がついた。2回にはローズも2ラン。この2人はパ・リーグ出身である。パ在籍時、宿敵・西武を相手に常にペナント争いの中心だった近鉄(現オリックス)、ダイエー(現ソフトバンク)の主砲として活躍した2人。その2人が西武投手陣を粉砕した。


小久保は5-5で迎えた9回、2死満塁という絶好機で打席が回ってくる。やはり“4番”には“最高の仕事”ができる打席が用意される打順なのか。しかし西武守護神・豊田の渾身の147km/hに小久保のバットは空を斬った…。空振りした後、小久保はミットにボールが収まっているのを確認してバットをポーンと放った…。“最高の仕事”ができるチャンスも射止めなければ“最悪の仕事”に変わってしまう…。


しかし“野球の神様”は小久保にもう一度チャンスを与えてくれた。延長11回も満塁で打席が回ってくる。ここで打てばヒーロー、打たなければ戦犯扱い…“4番”というのはそういう存在。そんなプレッシャーのなか、小久保は森慎二の直球を振り切りレフトスタンドに叩き込んだ。“パ・リーグを知る男”の迷いのない一振りだったように思う。


小久保裕紀