エキス剤は、最先端の技術を用いた工場で作り出されます。

従来の漢方薬は、昔ながらの方法を用いて、各家庭で、生薬を煎じてのむものでした。しかし現在、医療機関で出されている漢方薬のほとんどは、高度な製剤技術を用いて作られた、煎じる必要のない、品質の安定したエキス剤(医療用漢方製剤)です。エキス剤は、最先端の技術を用いた、近代的な工場で作り出されます。


専門家が生薬を厳選し、品質を管理しています。

漢方薬は、原料が命です。原料の生薬によって製品の優劣は決まりますから、生薬を厳選することが最も大切です。そのためエキス剤では、専門家が一つ一つの生薬を厳選し、品質を管理しています。また、生薬は天然物であるため、変質しやすい欠点を持っていますが、エキス剤という形にしたことで、品質が安定しています。さらに、工場生産により、いつでもほぼ一定の品質の製品提供が可能になっています。

エキス剤は、患者さんの立場を考えて作られています。

患者さんの立場から考えますと、エキス剤は煎じる手間がかからず、匂いによる周囲への迷惑がなくなり、持ち運びが便利になり、手軽にのめるようになりました。加えて、煎じ方による個人差、すなわち、成分や濃度などのばらつきもなくなり、一定した効果が期待できるようになりました。

しかし、エキス剤は決められた処方にしたがって作られていますので、一つ一つの生薬の加減ができないこともあります。また、漢方薬の効果として重要な、香りの成分が少ないといわれることもありますが、香りの効果はごく少量でも十分にある、という報告もあります。