高校3年生 男性

 

<現在の症状>

ガスが多い、排便回数が多い(朝2~3回トイレに行く)、腹痛、下痢(普通便はない)、排便後にすっきりしない、お腹がゴロゴロ鳴る。

悪化する要因:朝の時間帯、外出する日、食後(現在食事量を減らしている)。

症状がましになる要因:休日、外出しない日。

<ここまでの症状の経過>

小さい頃からお腹は弱かった。

中学に入ってから今の症状が出始めた。

高校生になって受診。過敏性腸症候群という診断。処方された薬を服用しているがあまり効果がない。

 

<治療経過>

まずは胃腸の働きをととのえる薬を1週間分お出しした。

朝の下痢が1週間に1回に減少した。他の症状は変わらず。

前回のものに胃腸の気の流れをよくする薬を加えたものを2週間分お出しした。

便の回数・下痢は前回と変わらず、腹痛・ガスがやわらいだ。

同じものを2週間。

下痢は2週間に1回、腹痛はやはり朝に起こる、後の症状は変化なし。

腸の緊張をゆるめる薬に変え3週間。

下痢はなし、便の回数も減少(午前中に1回)、腹痛は朝にあり。

同じ薬を3週間。

トイレの心配をせずに受験を終えることができた。

受験が終わったので、その後はゆっくり薬をのんでいただき、なくなったら受け取りにくるという形になった。

 

<考察>

「漢方薬はどのくらいのめば効果がありますか?」

皆さんお聞きになることです。

全ての症状に決まった答えはありませんが、過敏性腸症候群のような症状(お腹の張り・ガス・腹痛・下痢・便秘など)はよくなるのに時間がかかります。

この症状はストレスだけが原因とは言えませんが、ストレスがお腹に影響を与えることはよく知られています。

そして我々が生活していくのにストレスは避けようがありません。

また胃腸は毎日毎日いろんなものを消化・吸収・排泄し休む暇もありません。

胃腸の症状は食べたものにも影響されます。

3ヶ月みていただきたいと始めに申し上げました。

まずは胃腸状態をよくするもの、次にストレスが影響を与えていると仮定して気の流れをよくするもの、次に腸の緊張をゆるめ正常な動きにしてくれるものをお出ししました。

※同じような症状であっても、合う漢方薬は同じとは限りません。自己判断による服用をさけるため、漢方薬の名前は記していません。