70代前半 女性

 

<症状>

コンコンとしたから咳。痰はない。咳をするとのどが痛い。咳込みすぎるとみぞおちが痛む。症状が出るのは、日中一人でいる時、就寝時に布団に入った時、起床時。休日にたくさん歩いた日も途中咳込んだ。咳込んだ時には水分が欲しくなり、水分をとると治まる。

 

<咳が出るようになった経過>

3週間前、強い咳や鼻水が出た。受診しレントゲン検査。少し白い影が確認される。

1週間抗生剤・吸入薬を服用。咳込みが少し減少。

咳が出始めてから5日ほど経って、発熱・関節痛が5日間。

その後、から咳のみが残っている。

 

<その他全身症状>

鼻炎(ほこりによりくしゃみが出やすい)。

 

<過去の病気>

気管支喘息。3年前息苦しさを感じ受診し、診断される。

 

<生活環境・習慣>

睡眠:2~3時間で目が覚める。夜間尿2回。

食事:少食(気管支喘息の診断後、食事を変えたことで体重減少)

 

<治療経過>

肺を潤し、肺の熱をとる漢方薬を1週間分(1日3回)お出しした。

朝1回、日中1回、寝る前に1回のんでいただいた。

1週間後、咳の回数が減少。起床時や就寝前に、やはりから咳が出る。咳以外の効果としてはよく眠れるようになった。

今度は肺を潤す漢方薬を1週間分お出しした。

1週間後、咳はかなりよくなりほとんど出ないとのこと。

さらに同じ漢方薬を1週間分お出しして、のみきったら様子を見ていただくことにする。

 

<考察>

咳は日常よく見かける症状です。

激しく咳きこむ咳、痰がゴロゴロ出る咳、話すとむせるように出る咳・・・

現在どんな症状なのかも大切ですが、どんな経緯があって今の咳が起こっているのかも大事です。

この方は現在の咳が始まる前、発熱や関節痛などカゼのような症状がありました。

初めの咳はおそらくカゼのウイルスの侵入に対して体が戦っている反応で、なんとか咳で追い出そうとしていたのでしょう。

現在残っている咳は、ウイルスと戦うための発熱により、体の大切な水分が損なわれてしまった後の肺の乾燥による症状でしょう。

ですから、肺を潤す漢方薬を選びました。

 

※同じような症状であっても、合う漢方薬は同じとは限りません。自己判断による服用をさけるため、漢方薬の名前は記していません。