70代後半 女性

 

<症状>

便の状態は軟便~硬くコロコロとした便で、その時々で違う。何も手をうたないと1週間、排便がないことも。市販の便秘薬を服用するが量を増やさないと出なくなってきた。病院で出される酸化マグネシウムは効かない。センナも効かない。旅行など変わったことがあるとさらに悪化する。

 

<便秘の経過>

結婚前は便秘ではなかった。

結婚・出産を経て、同居家族が多くゆっくりとトイレに行けなかった。

以後、何十年と便秘。

半年前、便秘による腹痛で救急車で搬送された。

通常の人より腸が長く、腸のヘルニアもあると言われた。

 

<その他全身症状>

食欲不振

 

<その他の病気>

心臓の疾患(2ヶ月後に入院予定)

 

<治療経過>

腸の蠕動を正常にし、腸を潤す漢方薬を1週間分お出しした。

1週間後来店し、1日1回便が出るようになり、便は硬くもなく下痢でもなく理想的な便であるとのこと。

その後、2週間ずつとりにいらして、入院予定の日まで同じ漢方薬を続けていただいた。

最終的には2日に1回普通便が出る状態で治まっている。

 

<考察>

市販の便秘薬がたくさんの種類、販売されているのを見るといかに多くの方が便秘に悩んでいるのかがわかります。

「便秘」と一口に言っても、腸が乾燥した便秘(お年寄りに多い)、腸の動きがよくない便秘(緊張しがちな方)など原因はいろいろあります。

市販の便秘薬で下痢してしまうけれど、とりあえず出していますという方もいます。

ですが、下痢をする習慣が続くと、体の大切な水分(津液・しんえき)が失われて、さらに腸が乾燥し、便秘が悪化すると考えられます。

この方は、緊張した環境から便秘が始まりその体質が根付いてしまったと思われます。

さらに高齢であり、体格もやせ型で、便の状態から腸の潤いも少ないことが想像できます。

以上から、腸の蠕動を正常にし、腸を潤す薬を選びました。

 

※同じような症状であっても、合う漢方薬は同じとは限りません。自己判断による服用をさけるため、漢方薬の名前は記していません。