70代後半 女性
<現在の症状>
寝つきが悪い。眠ったようでも眠りが浅くうつらうつらしている。寝ていても気に
なっていることが頭から離れない。少し眠ったら目が覚める。眠れないことに「このまま死んでしまうのではないか」とあせってしまう。
<ここまでの症状の経過>
元々は寝つきがよく、眠れる方だった。
4日前から眠れなくなった。
プライベートでストレスを感じることをかかえていて、そのことが始まってから眠れなくなった。
<他の症状>
夜間頻尿、便秘、体重減少
<治療経過>
精神の熱を冷まし、血(けつ・体の栄養分)を補う薬を7日分お出しした。
1週間後に来店し、お話を伺うと
「のみ始めて3日目から眠れるようになってきた。
夜間頻尿は変わらずだが、起きてもすぐに眠れる」とのこと。
さらに同じものを10日分お出しした。
薬がなくなってもう少しのみたいと思われたら、いらしてくださいとお伝えした。
<考察>
「ストレスを感じることを抱えている」ことは問診時にお話しいただきました。
ある程度期限のあることのようで、それが過ぎたら今までのように眠れるようになるのでは、とも思っていました。
そうは言っても「今がつらい、今日がつらい」のです。
ストレスを感じることをずっと考えているということは精神の栄養分である血を消耗します。
血が消耗すると熱が発生します。
漢方の言葉では「虚熱・きょねつ」と言います。
熱があると睡眠が妨げられます。
ストレスの原因となるものは、ご本人もましてや他人がどうこうできるものではありません。
取り返しのつかない事情だってあります。
漢方でできることは、ストレスで消耗した血を補ったり、それで発生した熱を取り除くことです。
また問診で、抱えていることを口に出していただくことで何かしら変わることもあります。
※同じような症状であっても、合う漢方薬は同じとは限りません。自己判断による服用をさけるため、漢方薬の名前は記していません。