30代後半 女性

 

<現在の症状>

鼻声、においがしづらい、眉間のあたりが重く痛む、鼻水はあまり出ないが時々のどに落ちて不快。

 

<ここまでの症状の経過>

1年3ヶ月前に出産(二人目)。

1年前にカゼをひいた。40℃の発熱。その後副鼻腔炎を発症。このカゼの後からすっきりしない。

子どもからカゼがうつることが多い。カゼを引くたびに副鼻腔炎をくり返す。

直近のカゼは1ヶ月前。発熱なし、鼻水(黄緑色、粘っている)。

その後耳鼻科受診、去痰剤や抗生剤を服用するも効果がない。

 

<これまでの病歴>

ぜん息(子どもの頃から)

 

<治療経過>

まずは炎症をとる漢方を1週間分お出しした。

同時に、朝ご飯の「菓子パン、コーヒー飲料、ヨーグルト」を症状が治まるまで

やめていただく話をした。

帰宅して一服のんだらしばらくしてのどがすっきりする感じがしたとのこと。

次の日には、鼻の奥の腫れぼったさがひいた。

1週間分をのみきるまでに、100%ではないが、においのしづらさ・眉間の痛みは改善された。

1週間後に来店し、同じ漢方をお出ししてのみきったら終了とした。

 

<考察>

この方は元々カゼを引きやすいわけではなかったようです。

おそらく、出産を経て二人の育児により体力の消耗があったのではないかと

思います。

また出産・高熱のカゼなどでは、体に必要な栄養分・水分(血・津液)が

消耗します。

そうすると、消耗した後の熱(虚熱・きょねつ)という熱が出やすくなります。

(これは漢方独特の考え方で、いわゆるカゼの時の高熱とは違うものです。)

虚熱が炎症となり、副鼻腔炎となっていたと思われます。

それから、日々何気なく我々が口にする食事も、気をつけていないと炎症をあおる

ものがあります。

菓子パンも含めて甘いお菓子、乳製品、脂分の多い肉類、揚げ物、辛い物、お酒類

などなど。

炎症が起きている時には、できるだけこれらの食べ物を控えていただくことを提案

します。

せめて漢方をのむ間だけでも。

この方は、育児が忙しくご自身の食事を用意する時間がなく、買っておいたものをパパッと食べていたとのことでした(もちろん甘い菓子パンはほんの少しのストレス解消もあるのでしょう)。

菓子パンの代わりに、コンビニおにぎり+フリーズドライのみそ汁という提案をしました。

習慣を変えるのは大変なことです。

でも、がんばっていただいたので漢方薬もより効果があったと思います。

 

※同じような症状であっても、合う漢方薬は同じとは限りません。自己判断による服用をさけるため、漢方薬の名前は記していません。