2月7日に放送されたテレビ朝日「題名のない音楽会」にギタリストの村治佳織と村治奏一が出演、司会の五嶋龍とニコロ・パガニー二の「ヴァイオリンとギターのためのカンタービレ」を演奏していた。

パガニーニ、名前は有名。超絶技巧の名手として知られ、生前は「悪魔に魂を売った」とまで言われた。ウィキペディアによると、シューベルトやリストも演奏を聴いて感激し、後にはヘヴィメタルへ強い影響を与えたと言われる。

お恥ずかしながら、私は「24の奇想曲」や「ヴァイオリン協奏曲」ぐらいしか聴いたことがなく、ギターのための音楽を書いていたとは知らなかった。

パガニーニ自身、自分の書いた作品を世に出すことを嫌がり(当時は盗作が多かったことも一因)、あげくの果ては死ぬ前にほとんどの楽譜を焼いてしまったため、あまり作品が残っていないことも原因だが、それこそ悪魔的な音楽に私が今までそれほど関心が持てなかったことが最大の理由。

ただ、今回放映された「ヴァイオリンとギターのためのカンタービレ」を聴くと、とても穏やかな感情に満たされていて、今までパガニーニに対して持っていた先入観が覆された。

調べてみると、パガニーニは水銀中毒でヴァイオリンが弾けなくなってしまい、ある時期から公の場から姿を消してしまうのだが、その頃にギター作品を多く作曲している。フィレンツェの女性ギター奏者を愛人としていたためと言われる。

この曲を聴くと、華々しくも心労が絶えない舞台から身を引き、パガニーニの晩年は意外と幸せだったのではないか?という気もする。天才的、というよりフツーが幸せ、というような曲。

動画貼り付け。ヒラリー・ハーンの動画が見つかった。