愉快で堪らない。僕に不愉快な思いをさせる者には、不幸が訪れる。ある者は道すがら口論となり、酔った勢いで喧嘩となるがボコスコにやられた。ボクサーでもそうはならないだろう顔面青アザとなり町も出歩けなくなった。またある者は交通事故で死亡。連れは後日階段から落下、腕を骨折する。他にも体を壊し緊急入院や難病指定を受けるなど不幸に見舞われるのである。その知らせを聞く度に、僕は神妙な面持ちでニヤついている。もうこの時ばかりは心のなかではサンバが鳴り響き、胸や腰を振り振り大はしゃぎなのである。僕はなんて素直な人間なのだろう。感心する。そして、僕には間違いなく魔力があるのだろうとつくづく得心するのである。しかしながら僕にも反動が訪れる。僕にも不幸が訪れる。だがしかし僕に不愉快な思いをさせる愚かな者たちの不幸には及ばない。たぶんその不幸は、僕の不幸の魔力を暴走させまいとする警告のような些細な不幸に過ぎない。僕はこの魔力を正義のために使いたい。