あまりの耳のよさにたまげてしまう。
部屋かしこの秒針がコチコチとざわめいている。
腕時計の微かな刻みすらハッキリと聞き分けてしまう。
いかに静かな環境なのかと不安な怖れがそこにある。
殺気からか、さっきから同じ行を追っている。
いかに集中していないのか、あるいはいかにつまらないのか、あるいはカチコチと刻まれているのが僕の命なのではと殊更耳をそばだてる。
鼓動は秒針よりも静かである。