絵が描きたくなるとき、私の指先からはキラキラと七色に光るオーラみたいなのが出てくる。
そのオーラは時によって赤が強かったり、青が強かったりピンクが強かったりと微妙に色合いが違い、また量も多かったり少なかったりする。
私は、その指先からあふれては消えていくその光を、紙に閉じ込めていく。
絵を描くってそんな感じ。
うまく閉じ込められる時もあれば、コロコロと転がって思わぬところに定着して、面白い方向に行くこともある。
しかし、光の量と自分の力が追いつかず紙に閉じ込める前に消えてしまい、絵にならなかった光も多くある。そんなとき私はもったいないと思うと同時に悔しくてたまらなくなる。
この体からあふれてくる光を形にしたいのに、思うように形にするすべが追いつかないなんて、歯がゆくて悔しい。
膨大な感動を得た時も同じで、そのあふれて来る光を止めることができなくなってどうしていいかわからなくなる。消化したいのに消化しきれなくなって、ただ私の中を過ぎていくだけになってしまうのだ。
嗚呼、なんて不甲斐ないのだろう。
そんな時、私の両手はざわざわと疼き、どきどきと動く心臓をよそに焦燥感に駆られる。
でも、そんな風に全身で感動を得られることに日々感謝する。
視覚、聴覚・・・全身の機能を使ってそんな風に感じられ、表現することのできる時代や、国に生まれた事に感謝する。
私の絵に対する悔しさも嬉しさも、私だけのものだ。
なんて贅沢。
今日も私は描いていく。
ありがとう。