夫と穏やかな日々を過ごしていたある日こと。
私はついに夫の裏の顔を目の当たりにすることになったのです。
気付いたきっかけは、名刺入れでした。
ある日、出勤した夫から連絡があり、家に忘れた名刺入れを持ってきて欲しいと言われたことがありました。
その日私は休日だったので、出かけるついでに夫に届けることになったのですが、
その名刺入れを探す際、うっかり落としてしまい、中身をばら撒いてしまったです。
その際、名刺入れから何枚か、弁護士の名刺が落ちてきました。
一瞬何のことか分からず、固まってしまいました。
もちろん私は弁護士のことなど夫から聞いたことがありません。
弁護士に会うようなトラブルが起こったこともありません。
考えられるのは、もちろん…パグ。
別れたはずのパグと切れておらず、味方となり結託して私と争っているのか、
もしくはパグとは別件で、私と今後離婚をかけて争うつもりなのか。
どちらにしても私と敵対している立場ということ。穏やかな話ではありません。
急に動悸が激しくなり、目の前が真っ暗になりました。
最近仲が良く、夫婦間が上手くいっていると思っていたのは私だけだったのか…。
弁護士の名刺を更によく見てみると、そこには見知った名前の名刺が1枚。
パグの代理人弁護士でした。
これでハッキリしました。
別れたはずのパグとまだ繋がっていたんです…
この時の衝撃は2度目の裏切りに匹敵する位のものでした。
内容証明を送ったのは、別居した後のこと。
またパグの代理人の弁護士が決まったのは、手術を終えて再同居した後のこと。
つまり話し合いの場で目の前で別れてもらい、誓約書も書いてもらった後のことです。
名刺があるということは、一緒に弁護士相談にも行っているはず。
私がパグに対して内容証明を送りつけたことも、慰謝料などを求めていることも、
知らないふりをしながら、全て知っていたことになります。
しかも知った上で、本妻である私ではなく、不倫相手のパグの味方だったのです…
普段は私に優しくしておきながら、陰ではパグと一緒にいた。
夫の2面性と不誠実さを垣間見た瞬間でした。
もう夫がよく分からない。どこまで私を騙し、裏切れば気が済むのか。
夫は果たしてどんな気持ちで、私との生活を送っていたのだろうか。
私が大事という言葉は、全てその場を収めるための偽りだったのだろうか。
パグと3度目の裏切りをしながら、家ではいい夫を演じるのはどんな気分なんだろうか。
一体夫はどうしたいのだろう。
答えの出ない疑問が頭をぐるぐると巡っていきます。
もちろんパグに対しては、内容証明を送った際に、今後夫に一切接触しないこと、
どんな理由であれ接触した場合は、慰謝料を追加で請求する旨は伝えています。
しかしそれでもパグは2度目に別れた後に、再度夫に連絡を取った。
夫もパグと弁護士を訪れている時点で、それは知っている情報のはず。
それでも夫はパグからの連絡を受け入れた。
2人ともリスクを分かった上で会っていた、確信犯あったということでしょう。
夫の裏の顔をみた瞬間、今まで必死に再構築のために築き上げてきたものが、
全て音を立てて崩れていくような感覚を覚えました。
示談は不成立。
金額面でも条件面でも、真っ向対立して譲歩が一切なく、
話し合いの意思もあまり感じられなかったので、パグとの交渉は決裂しました。
そんな中でも、夫と私の間はいつも通りの生活を取り戻そうとしていました。
夫からパグの話は一切出すこともなく、不倫を連想させる話題は避け、
もちろん私も内容証明や示談を行っていることは、話してはいませんでした。
折しも世の中はベッキーの不倫騒動でもちきりの時期。
嫌でも毎日ニュースなどで目にする不倫というワード。
他人事の話なのに、目にするだけで気分が悪くなったりしていました。
フラッシュバックは一時期よりは収まり、仕事も集中して行えるようになりましたが、
それでも精神的に辛い時もあり、たまに訳もなく急に泣き出したり、
家にいると閉塞感を感じて、突発的に家を飛び出すこともありました。
夫は泣いた時は私を慰めて話を聞き、いない時は探し回って心配してくれました。
まるで子供に接するように頭を撫でて、大事なものを扱うような態度になりました。
不倫についてのことだけではなく、普段からあまり自分の考えを出す人ではないので、
今の状況をどう思っているのか、これからどうしたいのか、よく分からないまま。
夫からはよく「大事な奥さんだから」という言葉が聞かれました。
そして「子供がいたらもっと仲良い家族になれるのかな」と子供を望むような言葉も。
流産を経験した私は、年齢的にも早めに子供を望んでいました。
そして夫も元から子供好きだったため、結婚時から子供を望んでいました。
ただこんな状況で子供が出来たら、困るんではないか?と夫に聞いてみると、
「大事な奥さんとの子供だから。困らない」
「結婚している夫婦なんだから、当たり前のこと。これから一緒に頑張ろう」
などと返され、前向きに考えている様子が見られました。
私は不倫発覚まで、仲が良い夫婦と思い、子供を授かることをずっと夢見ていました。
大好きな人との子供を産み、1つの家族になりたいと思っていました。
不倫が発覚し、それはもう叶わない願いだと思っていたので、その言葉は嬉しかった。
裏切られたと分かっていても、期待をしていなくても、不安が残っていても、
それでも馬鹿な私はまだ夫に対する愛情は残っていたから、
もしかしたら再構築も考えられるんじゃないか、と思うようになっていたのです。
夫との時間を過ごす内に、昔の楽しかった頃をよく思い出すようになり、
一時期感じていた恐怖は薄れ、スキンシップも取れるようになってきました。
夫はこうして表面上は改心したような、いい夫になっていました。
本当に馬鹿で単純な私は、夫の裏の顔を知る時までは、心からそう思っていたのです。
パグからの回答を受けて、次の手を考えることにしました。
まず私の希望として「不貞行為を認めて謝罪して欲しい」というのは絶対に譲れない。
また同じ会社の同じ部署ということで、会社に言わず退職や異動を求めない代わりに、
私が安心して過ごすためにも、個人的な連絡は取らないで欲しい。
水面下で繋がっていた状況だったので、これも言葉にして確約が欲しい所です。
なので、こっちが譲れるとしたら慰謝料の額のみ。
むしろ上記2つの条件を飲んで、殊勝な態度で反省をしているのであれば、
慰謝料の額には拘らずに減額するつもりではありました。
むしろパグの出方を伺いたいというか、いくら払う意思があるのかによって、
相手の反省具合や誠意を見てみたいという気持ちがありました。
なのでヒナコさんと話し合い、「謝罪」と「接近中止」は譲れないことと、
「慰謝料」は払う意思があるのか、そして幾らなら適当な額と思っているのかを
弁護士さんを通して、確認してもらうことにしました。
そしてしばらくしてからきたパグの弁護士さんからの返答は…
「不貞行為があったことは認めますが、謝罪は必要ありません」
「接近禁止に関しては同じ会社である以上、業務上難しいと思います」
「慰謝料は300万は高すぎます。いくらまで下げる気がありますか?」
というもの。
最早開いた口がふさがらない状態です。
これって要約すると、
謝罪はしない、接近禁止も試みない、慰謝料はそっちが減らすべきだ、
ってことです。
あくまでも上から目線な強気な態度を崩しません。
不貞行為の事実は仕方ないから認めるが、誠意をもって責任を取る態度ではない。
そもそも悪いことをしたという認識が薄いんだな、と感じさせるには十分な言葉でした。
密会していた証拠があるのはパグも知っているため、不貞行為は否定しない。
ただ心から反省していないから、あっさり復活もするし、強気な態度で出てくる。
今後も夫との付き合いを止めるつもりはないと、むしろ宣戦布告しているようなものです。
その後検討材料として、慰謝料はどれ位なら払う気があるか再度確認してもらった所、
パグから返ってきた返答は、私の予想を遥かに超える金額でした…
直近の記事として書いていた、
内容証明③
示談①「強気」
の記事をうっかり誤って削除してしまいました…
記事は復元できましたが、頂いたいいね!やコメントは消えてしまいました。
折角押して頂いたり、コメントして頂いたのにすみません。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
内容証明を送ってから3か月が経過しようという頃、
やっとパグから代理人がついたと連絡があり、示談交渉に入ることになりました。
内容証明でこちらが提示したのが、簡単にいうと3点。
①不貞行為に対する謝罪
②今後の接近禁止
③慰謝料
証拠もあるので、裁判までいっても負けることはない状態ではありますが、
まず内容証明を送ったのは、示談で交渉した方が色々と有利に働くからです。
裁判までいっても、現状からではあまり慰謝料を取れないだろうということと、
裁判で最悪判決になった場合は、慰謝料の支払いのみの命令になるので、
他の条件(この場合の謝罪や接近禁止など)は相手に求められないということがあります。
あとは裁判までいくと長期化し、経済的にも精神的にも負担が大きくなるので、
示談で出来るだけ早く、有利に終わらせられたらと思っていました。
定めた期限をかなりオーバーした時に、パグの代理人から連絡がきたのですが…
その時にまず代理人から言われたのが、金額交渉でも何でもなく、
「まだ依頼されたばかりで内容を理解していない。とりあえず挨拶だけ」でした。
相変わらずのんびりした対応をされています…舐められているのがよく分かります。
しかも電話をしても代理人も出ず、全部返事がFAXでくるようです。
ヒナコさんも「あまり相手の代理人にやる気を感じないんですよ…」と困惑気味。
そしてその後またしばらくして向こうの主張がFAXで届きました。
長ったらしく硬い文章で書かれていましたが、簡単に言うと以下の感じでした。
「不貞行為はありました。でも悪くないので謝る必要がありません。お金はそんなに払えません。考え直してください」
ちなみに慰謝料は300万を請求していました。
もちろん交渉する気持ちはありましたが、いくら払う意思があるのかも明示せず、
ただ考え直せと丸投げ。
しかも不貞行為は認めつつも謝罪は拒否。
この返事に、私もヒナコさんもしばし絶句…
確かに夫が一番悪いけど、既婚者と知りながらも何度も不貞行為を行ったことは、
あなたにも十分責任があるし、謝罪すべき立場でしょう!?
パグにも言い分はあるとは思いますが、この誠意の欠片もない強気な態度を見て、
同情心は一切なくなり、徹底的に戦おうと、そう決意したのでした。
パグに内容証明を送ってから2か月。
代理人を探し、連絡入れるから待って欲しいと言われてから1か月。
パグから返事すると約束した期日がやってきました。
さてその返事は…
見事にスルーされました。笑
率直な感想としては、「うーん、やっぱりね」という感じです。
私自身バタバタしていたので、ヒナコさんから連絡が来て、
それで「そういえば約束の日が過ぎてる!」と思い出した感じでしたが…
ここまで待たされるとイライラも通りこし、高みの見物状態になっていました。
ヒナコさん曰く、パグに連絡を取ったところ、まだ代理人が探せないとのこと。
離婚問題は時間と労力は取られるけど、それに対する金銭的な利益はあまり得られず、
個人で請け負う弁護士さんは多くはないそう。
特にパグのような立場で、勝つ見込みがない場合はより難しいのかもしれません。
しかも自分から積極的に探すというよりは、必要に迫られて探しているので。
今回の一連のことで気づいたことは、内容証明の示談でも、調停でも、裁判でも、
思っていた以上に1つ1つのことが進むのに時間を要するということです。
私は生活に問題はなかったので、時間をかけてゆっくりと行うことが出来ましたが、
もし経済的に苦しいとか、様々な理由で早期決着を望む場合は、
精神的に負担がかかり辛い時間を過ごすことになるだろうなと思いました。
その後やっとパグの方から代理人を通して連絡が来たのは、更に2週間後のことでした。
そしてパグから言われた内容に、私は更なる衝撃を受けたのです…
夫の入院や再同居などで、私の周りの環境が色々と変わる中、
パグに送った内容証明は全く進展を見せていませんでした。
というのも、慰謝料請求や謝罪などを求めた内容証明は、
ヒナコさんによりすぐにパグの元へ送られ、無事手元に渡ったという連絡はありました。
しかしその後、こちらが内容証明内で設定した期日を過ぎても、
相手側から何の連絡もなく、無視されている状態が続いていたのです。
送った内容証明を受け取った後は沈黙したまま、期日を迎えても無視。
→期日を過ぎた辺りで、ヒナコさんからパグに電話をするが留守電。
→留守電に折り返すようメッセージを残すも返事はなし。
→時間を変えて再度電話連絡するも出ず、留守電にもならずに着信拒否。
→電話が拒否されたからと、再度書面を送付。
こんな感じのやりとりを何回か行ったそうです。
無視し続けて逃げようとしていたのかもしれません。
内容証明は強制力がない分、何もせず放っておく人もいるそうですし、
場合によっては数日で片が付く人がいれば、数か月もかかる人もいるとか。
対応はヒナコさんに一任し、私はその経過をその都度確認していたに過ぎませんが、
パグの誠意のない態度に怒りとを呆れ、進まない状況に不安を覚えていました。
もし私が自力で直接連絡していたら、恐らくイライラMAXでもっと進まなかったと思います。
ただそこはやはり弁護士。
そのまま逃がすのではなく、粘り強く色んな角度から連絡を取り続け、
話し合いを拒否するのであれば次の対応を考える旨を伝え、
最終的に連絡が取れなければやむを得ず職場に連絡がいくかもと匂わせた所、
普通に連絡が取れるようになったそうです。
パグは話し合いは逃げられないと観念したのか、
「話し合いはする。ただ今すぐに対応できないから時間が欲しい。代理人を探す」
とのことで、今度は引き伸ばし作戦に出てきました。
そして代理人探しの時間ということで、パグから1か月の時間の猶予を求められました。
散々無視しておいて、更に1か月も時間を欲しいというパグに心底呆れ…
無視していた時間で十分探せたでしょうに。
ヒナコさん的にもパグと話し合うより代理人が立った方がやりやすいとのこと。
長期戦覚悟で、もう少し時間をかけてゆっくり話し合いを進めることにしました。
次は果たして代理人が決まり、連絡がくるのでしょうか…
パグとの戦いはまだまだ始まったばかりです。
別居してからというもの、夫からは毎日のように連絡がくるようになりました。
大体は他愛のない日常と、私のことを気にかける内容のメール。
「実家からだと通勤が大変だと思うけど、体調崩してない?大丈夫?」
「昨日は会社の忘年会で飲み過ぎた。でもパグとは話してないから安心してね」
「今週は残業ばかりだったから、昼ご飯ほとんど食べていないよ」
などなど…そして時折かかってくる電話では必ず最後に、
「この家は花音の家でもあるんだから、いつでも帰ってきてね」と言われました。
返事はしたりしなかったりではありましたが、別居で気持ちが落ち着いたからか、
逃げ出した時のように、夫を完全拒否することはなくなりました。
夫は毎回、私が愛想を尽かして去ろうとすると必死に引き止める様子を見せます。
私を甘く見ているし、私に甘えているのも十分承知でしたが、
それでも連日気にかけてくれることは、どこかで嬉しいと思う気持ちもあり、
冷めていた気持ちが少しずつ和らいでいくのを感じていました。
たまに家に荷物を取りに帰ったり、用事があって帰ったりすることがありましたが、
その時に少しだけ顔を合わせても、以前ほど怖いことも憎いこともなくなっていました。
そんな中、夫は入院し手術することになったのです。
大きな手術ではなかったのですが、その間は妻としての役割を果たそうと思いました。
荷物を届けたり、書類にサインしたり、医師からの説明に同席したり…
仕事の調整をしながら、手術当日の付き添いも行いました。
術後は暇という夫に、好きな写真集や本を差し入れし、毎日面会に訪れました。
実際に問題なく退院できたのですが、やはり手術そのものは心配でしたし、
付き添って側で見ていてあげたい、という気持ちはまだ私にはあったのです。
必然的に2人で一緒に過ごす時間が増え、会話をする機会が増えました。
不倫についてはお互い何も話さず、内容証明を送ったことも私は黙っていましたが、
この時はお互いに穏やかに世間話やお互いの近況を話すことが出来、
不倫そのものがなかったかのような、そんな錯覚さえ起こすような日々を過ごしました。
夫は退院した際、入院中の私に対して凄く感謝をしていたようでした。
そして帰ってきて欲しいと改めて伝えられました。
「入院中のことを見ていて、このままいけば花音と上手くやっていけると再確認した」
「別居中に色々考えて反省したし、パグとはもう終わっているから、戻ってきて」
「花音のまだ気持ちは落ち着いていないかもしれないけど、また一緒に暮らしてみて、そこでこれからのことを一緒に考えていって欲しい」
2度の裏切りにショックを受けて、パグへ宣戦布告もしている状態で、
本当に戻っていいのか…さすがに悩みました。
でも実家にいる生活に、そろそろ不便を感じ疲れてきていたことがあり、
すぐに結論を出さずに、一緒に暮らしながら今後について考えるのもいいと思いました。
この時はあまり夫に期待していなかったのもあったのかもしれません。
こうして入院をきっかけに、また夫との同居を再開することになりました。